G7/G8
2015年 G7エルマウ進捗報告書
5月22日,G7議長国独は,G7エルマウ進捗報告書を公表した。
本報告書は2011年のドーヴィル・サミットのコミュニケの生物多様性に関するコミットメントを踏まえたG7の取り組みや進捗状況,今後の課題について報告するもの。概要は以下のとおり。
(注)G8ドーヴィル・サミット首脳宣言関連部分(V.気候変動及び生物多様性)
「54.(略)我々は,生物多様性の現在の損失速度が容認できないものであることを認識する。我々はしたがって,生物多様性の損失を遅らせるための努力を強化することにコミットする。(以下略)」
1 報告書は,G7諸国は生物多様性のための途上国や国際機関に対する資金協力を強化してきていると評価。例えば,2012年に途上国に二国間援助として供与された生物多様性関連の援助の50%はG7諸国による支援であること等に言及。
2 報告書は,G7諸国が自国及び他国において,保護区の設定,違法伐採や取引,密漁等の取り締まりを実施を通じて生物多様性自体を直接保護する措置を実施していることを紹介。加えて,公害,土地利用,外来種等の生物多様性を脅かす直接的な要因への対策,消費者意識の喚起や啓蒙活動等の間接的な要因への対策も実施。更に生物多様性保護のインセンティブを高める措置(エコ・ツーリズムの促進等)等についても説明。
3 報告書は,G7諸国が,食料安全保障,保健,気候変動等の関連分野等を通じて生物多様性の保護にも資する措置を行っていることを紹介している。
4 報告書は,上記を踏まえ,G7諸国は生物多様性の分野で多くの重要な取り組みを進めてきており,その多くはグッド・プラクティスとして国際的にも共有されるべきものであるが,生物多様性の喪失のトレンドは継続しており,引き続き課題に取り組む必要があると結論づけている。