外務副大臣・外務大臣政務官

平成26年4月16日
中所得国支援に関するサイドイベントでの挨拶
本会合における発言
4月15日から16日にかけ,メキシコ(メキシコシティ)において「効果的な開発協力に関するグローバル・パートナーシップ第1回ハイレベル会合」(GPEDC:閣僚級)が開催され,我が国より木原誠二外務大臣政務官が出席したところ,概要以下のとおり。

1.日程,参加国

(1)日程,場所
4月15日(火曜日)~16日(水曜日)(於:メキシコ・メキシコシティ)

(2)参加国・国際機関等(約130ヵ国・機関,約1,500人)
メキシコ(ペニャ・ニエト大統領,ミード外務大臣),米(シャーUSAID長官),英(グリーニング国際開発大臣),EU(ピエバルクス開発担当欧州委員),オーストラリア(ビショップ外務大臣),韓国(尹外交部長官),インドネシア(アルミダ国家開発企画庁長官),ナイジェリア(オコンジョ財務大臣),カナダ,フランス,ドイツ,イタリア,国連(パン・ギムン国連事務総長),UNDP(クラーク総裁),OECD(グリア事務総長,ソールハイムDAC議長)等。その他,市民社会組織(CSO),民間セクター,基金,地方政府,議会関係者等の多様な開発主体が参加。

2.会合の評価

(1) 本会合は,2011年11月に開催された「第4回援助効果向上に関する釜山ハイレベル・フォーラム(釜山HLF)」後,初めてのハイレベル会合。会合では,釜山HLFにおけるコミットメントの履行フォローアップのほか,効果的な税制と国内資源動員,南南協力・三角協力・知識共有,中所得国との開発協力,民間セクターの役割といった現在の重要な開発課題について,有意義な議論がなされた。

(2) 木原外務大臣政務官は全体会合における発言の中で,日本が,三角協力において40年近い歴史を有し,三角協力のパイオニア的存在であることに触れつつ,日本の三角協力の具体例と実績を紹介し,先進国による途上国支援だけではなく,新興ドナーや民間セクターを含む全ての主体の支援を結集した包摂的なパートナーシップの重要性を強調した。また,中所得国との開発協力に関する議論において木原政務官は,日本自身が「中所得国の罠」に陥ることなく先進国入りした経験,また,日本の東南アジア支援が地域の成長に貢献してきた事例に触れつつ,中所得国支援における教育・人材育成の重要性と,インフラ整備等を通じた制度構築とビジネス環境整備の重要性を訴えた。

(3) 本会合では,中所得国を含む途上国の開発課題の解決のためには,多様な開発主体による包摂的な取組みが必要であるとの認識が共有された。具体的には,開発に資する資金源として,ODAのみならず,途上国の税制度改善等による途上国内の資金の有効活用,南南協力や三角協力による開発への貢献,民間資金の効果的な活用とそれを導くODAの触媒的役割の重要性が確認された。また,国連で議論されているポスト2015年開発アジェンダを達成する上では,包摂的なパートナーシップによる取組みが必要であり,GPEDCがその役割を果たしうるとの期待が示された。
以上のGPEDCの意義に鑑み,GPEDCが国際的な開発課題の解決に一層貢献し得る真の包摂的なパートナーシップの形成に向け,国際社会の一層の取組が求められる。

3.コミュニケ (主要ポイント)

会合の結果,コミュニケに合意したところ,ポイントは以下のとおり。

(1) 釜山HLFのコミットメント(途上国のオーナーシップ,成果重視,包摂的なパートナーシップと開発,透明性と説明責任,脆弱国及び紛争国のレジリエンスへの移行支援)の進捗を確認し,包摂的且つ持続可能な開発成果に向けた更なる具体的行動につき記述。

(2) 開発のための包摂的なパートナーシップとして,議会,地方政府,CSO,民間セクター,慈善財団等の開発協力における役割と取組みについても記述。

(3) 「国内資源動員」や「中所得国との開発協力」などの新たな開発課題に対する取組の必要性を確認。また,「南南協力・三角協力・知識共有」,「開発におけるパートナーとしてのビジネス」などの,効果的な開発協力における新たな開発主体との協力の重要性を確認。

(4) GPEDCハイレベル会合を2年毎に開催することに合意し,次回会合は2016年に開催予定(開催地は,今後,運営委員会で協議される)。

4.二国間会談

ピエバルグス開発担当欧州委員との会談
バリサカン・フィリピン国家経済開発庁長官との会談
木原外務大臣政務官は,ピエバルクス開発担当欧州委員,バジェ・メキシコ国際協力庁長官,バリサカン・フィリピン国家経済開発庁長官,レイ・レイ・テイン・ミャンマー国家計画・経済開発副大臣,ズン・ベトナム計画投資副大臣,ジルバーホルン・ドイツ経済協力開発省政務次官とそれぞれ個別に会談を行い,今後の両者の協力関係やGPEDCのあり方等について有意義な意見交換を行った。
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