気候変動

国連気候変動枠組条約第20回締約国会議(COP20),京都議定書第10回締約国会合(CMP10)

平成26年12月15日

英語版 (English)

1.全体の概要と評価

(1)12月1日から14日まで、ペルー・リマにおいて、国連気候変動枠組条約第20回締約国会議(COP20)、京都議定書第10回締約国会合(CMP10)等が行われた。我が国からは、望月環境大臣及び外務・経済産業・環境・財務・文部科学・農林水産・国土交通各省関係者が出席した。 
(2) 「強化された行動のためのダーバン・プラットフォーム特別作業部会(ADP)」及び2つの補助機関会合における事務レベルの交渉を経て、12月9日以降のハイレベル・セグメントにおいて閣僚間でさらに協議を重ねた結果、最終的に2020年以降の枠組みに向けて各国が提出する約束草案等に関する決定を含むCOP及びCMPの決定等が採択された。
(3)2020年以降の枠組みについては、2015年のCOP21に十分先立って(準備のできる国は2015年第1四半期までに)提出を招請されている約束草案を提出する際に示す情報(事前情報)等を定めるCOP決定(「気候行動のためのリマ声明」(Lima Call for Climate Action))が採択された。また、「新たな枠組みの交渉テキスト案の要素」を右決定の別添とするとともに、来年5月の交渉テキスト案作成に向けて更なる検討を行うことが決定された。
(4) COP20期間中に緑の気候基金の初期動員への拠出額が100億米ドルを超え、右を歓迎する旨のCOP決定が採択された。

2.日本政府の対応

(1)我が国は、約束草案の中心は緩和であること、事前情報及び事前コンサルテーションは各国の提出する約束草案の明確性、透明性、理解、比較可能性を確保するものであること等を主張した。
また、新たな枠組みにおいては、各国は、(1)定量化可能な約束草案の提出、(2)約束草案達成に向けた対策措置の実施、(3)実施状況のレビューを受けることについて義務を負うべき等と主張した。適応については、適応の要素を国家計画や開発のプロセスに統合することをコアとなる合意に含むべき等を主張した。
(2)ハイレベル・セグメントにおいては、望月環境大臣が日本代表として演説し、「2050年までに世界全体で50%減、先進国全体で80%減」という目標を改めて掲げるとともに、約束草案を出来るだけ早期に提出することを目指すこと、我が国の技術を活用した世界全体の排出削減への貢献、途上国の緩和行動及び適応に関する支援、資金支援等を進めていくことに言及した。また、望月環境大臣はADP閣僚級対話に出席し、2015年合意は先進国・途上国といった固定化された二分論ではなく、全ての国に適用される仕組みとすべきこと、緩和に関する定量化可能な目標が各国の約束草案の中心であるべきこと等を主張した。
(3)さらに、望月環境大臣は、会合期間中に、COP20議長国ペルー、COP21議長国フランス、EU、英国、中国等7つの国・地域の閣僚及び潘基文国連事務総長など国際機関の長と会談を行い、新たな枠組みの合意に向けて協調していくことの重要性を確認した。潘基文国連事務総長からは、全ての国に約束草案を来年第1四半期に提出することを要請している旨述べられ、EUからは、日本の約束草案の早期提出への期待が示されるとともに、フランス及び英国等からは我が国が気候変動問題の解決をリードすることへの期待が示された。
(4)また、二国間クレジット制度(JCM)に署名した12か国が一堂に会する「JCM署名国会合」を開催し、JCMの進捗の歓迎と更なる進展に向けて共同声明を発表した。
(5)緑の気候基金に対し、国会の承認が得られれば、最大15億ドルを拠出することを発信するとともに、途上国の対処能力を包括的に支援するため、9月の国連気候サミットで安倍総理が表明した「適応イニシアチブ」について、その内容を具体的に示す事例集を発表するなど、途上国が重視する適応分野及び脆弱国支援における日本の取組を積極的発信した。
(6)日本政府として「ジャパン・パビリオン」と題するイベントスペースを設置し、国、各種機関・組織、研究者等の取組の紹介や議論を行うイベントを多数開催し、気候変動対策に関する我が国の貢献等について紹介した。

3.今次会合の成果

(1)
(ア)2020年以降の枠組みについては、過去の決定に基づき、2015年のCOP21に十分先立って事務局に提出する約束草案に含む情報(事前情報)をCOP20において特定すること、及び新たな枠組みの交渉テキスト案を2015年5月より前に作成することを目指し、右テキスト案の要素をCOP20において検討すること、が求められていた。
(イ)今回の会合において、約束草案は条約第2条の目的(大気中の温室効果ガスの濃度安定化)達成に向けて提出し、その内容を現在のものよりも進んだものとすること、適応計画の取組を提出すること又は約束草案に適応の要素を含めるよう検討すること、約束草案に含む事前情報については、参照値(基準年等)・期間・対象範囲・カバー率等を内容とすることができることが決定された。また、各国の提出した約束草案を事務局がウェブサイトに掲載するとともに、2015年11月1日までに各国の約束草案を総計した効果についての統合報告書を作成すること等が決定された。加えて、2020年以前の野心向上については、高い削減ポテンシャルの機会を技術的に調査することを継続するため、技術専門家会合(TEM)を継続すること等が決定された(「気候行動のためのリマ声明」(Lima Call for Climate Action))。
(ウ)新たな枠組みの交渉テキスト案の要素については、共同議長から提示された、COP17決定が言及する緩和、適応、資金、技術開発・移転、行動と支援の透明性、キャパシティ・ビルディングの各要素について、各国の主張を俯瞰できる文書(ノンペーパー)を踏まえて議論され、ノンペーパーを更新した「新たな枠組みの交渉テキスト案の要素」を上記COP決定の別添とし、今後これについて更なる検討を行うことが決定された。
(2)資金については、途上国が2020年に1,000億ドルに到達する道筋を先進国に明確に示すことを要求するなどして対立したが、交渉の結果、先進国が隔年報告書に記載する支援についての情報を増やす、また、緑の気候基金への初期動員(102億米ドル)を歓迎するなどのCOP決定が採択された。
(3)先進国の2020年の削減目標に関する進捗状況等について、第1回多国間評価(MA)が実施された。EU、米国等の17か国・地域から発表が行われ、建設的な雰囲気の中で質疑応答が行われた。
(4)市場メカニズムについては、補助機関会合において、二重カウントの防止等について意見交換がなされ、来年6月の同会合において、引き続き議論することとなった。
(5)技術開発・移転については、技術執行委員会(TEC)と気候技術センター・ネットワーク(CTCN)の共同年次報告書に関して、それぞれの活動の進捗に対する歓迎の意を含む決定が採択された。
(6)気候変動の悪影響によるロス&ダメージ(被害・損害)については、昨年のCOP19で設立に合意した「ワルシャワ国際メカニズム」の執行委員会の2カ年作業計画、委員構成及び手続きについて合意した。
(7)途上国における森林減少・劣化に由来する排出の削減等(REDD+)については、COP19で合意した「ワルシャワREDD+枠組み」に基づく情報を掲載するウェブサイト「リマREDD+情報ハブ」を開設することとなった。
(8)なお、COP21はフランス・パリで開催されることとなっている。また、モロッコがCOP22の議長国を務める意志があることを表明した。

このページのトップへ戻る
気候変動へ戻る