ODAと地球規模の課題
タジキスタン共和国に対する無償資金協力2件に関する書簡の署名・交換
令和7年12月20日
12月20日に初めて首脳級で開催された「中央アジア・日本」対話(CA+JAD、カジャッド)・首脳会合に先立ち、12月10日(現地時間同日)、タジキスタン共和国の首都ドゥシャンベにおいて、古田恵子駐タジキスタン共和国日本国特命全権大使と、シロジッディン・ムフリッディン・タジキスタン共和国外務大臣(His Excellency Mr. Sirojiddin MUHRIDDIN, Minister of Foreign Affairs of the Republic of Tajikistan)との間で、タジキスタンに対する計2件の無償資金協力(合計13.82億円)に関する書簡の署名・交換が行われました。対象案件の概要は、それぞれ以下のとおりです。
- カスピ海ルート上のスピタメン税関における貨物検査機材整備計画(供与限度額13.41億円)
タジキスタンの北部ソグド州スピタメン地区の鉄道国境税関所は、中央アジア内陸最奥部からカスピ海ルートの南部ルートに接続する国際鉄道路線上に位置しています。本計画は、同鉄道国境税関所において、鉄道用大型X線検査機材及び貨車の検査導線確保のための軌道を新たに整備することによって、貨物検査能力の強化・迅速化と税関密輸取締の強化を図り、もってタジキスタンと中央アジア地域全体の平和と安全な社会の実現に寄与するものです。本協力は、「カスピ海ルートの円滑化支援を含むコネクティビティ強化」の一部として位置づけられる案件です。 - ドゥシャンベ市基幹電力系統変電所建設計画(詳細設計)(供与限度額0.41億円)
タジキスタンの約21%の電力需要を占める国内最大の電力消費地である首都ドゥシャンベ市では、人口流入や都市再開発計画に伴う商業、住居、公共設備拡充により、暖房使用量が増加する冬季を中心に、今後も電力需要の増加が予想されており、2023年から2030年の電力需要伸び率は年間約3%と見込まれています。これを背景に、本計画は、同市において、220kVの送電用変電所の新設及び関連機材(変圧器、遮断器、断路器等)の供与を行うことにより電力流通システムの改善を図り、もってタジキスタン首都圏における電力の安定供給を通じた、同国における経済・産業開発基盤の整備に寄与するものです。 - 今回の首脳会合及び首脳共同宣言(東京宣言)において、中央アジア5か国との互恵的関係を強化するために立ち上げられた「CA+JAD東京イニシアティブ」では、「グリーン・強靭化」、「コネクティビティ」、「人づくり」を重点3分野としています。今回の協力は、そのうち「コネクティビティ」、「グリーン・強靭化」を具体化するものです。この協力を通じ、我が国とタジキスタンの友好関係の更なる強化に貢献することが期待されます。
(参考)タジキスタン共和国基礎データ
タジキスタン共和国は、面積約14万2,600平方キロメートル(日本の約40%)、1,080万人(2025年、国連人口基金)、1人当たり国民総所得(GNI)は1,650米ドル(2024年、世界銀行)。

