- ナスル第66回国連総会議長は,11月12日から16日まで,外務省賓客として来日。
- 滞在中,関西を訪問し,京都で千玄室大宗匠(日本国連協会会長,日本国連親善大使)と懇談した。また,神戸では「人と防災未来センター」を視察し,日本の防災分野での取組について理解を深めた。
- 東京では,藤村官房長官及び横路衆議院議長を表敬したほか,玄葉外務大臣と会談した。また,民主党,自民党及び公明党議員と意見交換した。これらを通じて,防災,安保理改革を含む主要なグローバル課題について,日本と国連の間の連携を一層強化していくことを確認した。
- 更に,ナスル議長は,「安保理改革に関する東京対話」に出席したほか,駐日国連機関代表との懇談等を行った。
1.主要行事の概要
(1)関西訪問
13日,ナスル議長は,京都を訪問し,金閣寺,龍安寺及び仙洞御所を視察したほか,千玄室大宗匠と懇談した。また,神戸を訪問し,「人と防災未来センター」を視察し,阪神・淡路大震災からの復興,日本の防災分野での取り組みについて理解を深めた。
(2)安保理改革に関する東京対話
14日午前,ナスル議長は,東京で行われた「安保理改革に関する東京対話」に出席した。開会の挨拶にて,ナスル議長より,国際社会の変化に対応するためには安保理改革が必要であり,急務である,また,柔軟性と妥協の精神こそが最も幅広い加盟国の支持を得る形での望ましい改革の進展を可能にする旨述べた。
(3)藤村官房長官への表敬
藤村官房長官より,東日本大震災に際してのカタール政府からのLNG(液化天然ガス)追加供給を含む多大なる支援に対して謝意を表明した。藤村官房長官とナスル議長は,防災分野及び安保理改革について協力関係を強化していくことを確認した。北朝鮮問題については,藤村官房長官より,拉致問題は普遍的な問題であり,北朝鮮人権状況決議を通じて北朝鮮の人権状況の改善を求めていきたい旨述べたのに対し,ナスル議長より,北朝鮮を含むすべての人権問題は自分(ナスル議長)にとっても重要な課題である旨述べた。
(4)横路衆議院議長への表敬
ナスル議長は,横路衆議院議長を表敬した。横路議長より,東日本大震災に際して,カタールを含め多くの国・地域からの支援の申し出に感謝を述べたほか,横路議長とナスル議長は,日本と国連の協力,安保理改革,防災・気候変動,核軍縮・不拡散,原子力安全等について意見交換を行った。
(5)玄葉外務大臣との会談・夕食会
玄葉大臣より,国連総会議長として諸課題への対応にあたりリーダーシップを発揮することを期待したい旨述べたのに対し,ナスル議長より,日本の国連に対するコミットメントを高く評価している旨述べた。玄葉大臣とナスル議長は,安保理改革,防災,核軍縮などの分野において緊密に協力していくことを確認した。また,玄葉大臣より,南スーダン共和国ミッションへの施設部隊の派遣の準備を開始することを決定したことを伝えた。更に,玄葉大臣とナスル議長は,北朝鮮の問題やパレスチナ,リビア,シリア等の中東情勢についても意見交換を行った。
(6)民主党,自民党及び公明党各党議員との懇談
ナスル議長は,民主党(輿石東幹事長ほか),自民党(谷垣禎一総裁,茂木敏充政調会長ほか)及び公明党(山口那津男代表ほか)各党の議員とそれぞれ懇談した。それぞれの懇談の場において,ナスル議長より,第66回国連総会の主要議題である調停及びナスル議長が掲げる重要課題(紛争の平和的解決,国連改革,災害対策,持続可能な成長と繁栄)に取り組んでいく考えを説明したほか,安保理改革,防災・災害対策,核軍縮・不拡散等のグローバルな課題への対処について意見交換した。
(7)その他
ナスル議長は,オスターヴァルダー国連大学学長をはじめとする駐日国連機関代表と懇談を行い,日本における国連機関の取り組み等について意見交換した。
2.評価
9月に就任したナスル議長が来日し,藤村官房長官,玄葉大臣をはじめとした日本の要人との会談を通じて,防災分野,安保理改革,核軍縮等のグローバル課題の解決に向けて日本と国連の協力関係を強化していくことを確認した。
3.日程
- 11月12日(土曜日)
- 本邦到着
- 11月13日(日曜日)
- 金閣寺視察
龍安寺視察
仙洞御所視察
千玄室大宗匠訪問
「人と防災未来センター」視察 - 11月14日(月曜日)
- 「安保理改革に関する東京対話」出席
藤村官房長官表敬
在京カタール大主催昼食会
民主党議員との懇談
駐日国連機関代表との懇談
西田国連代表部大使主催夕食会
- 11月15日(火曜日)
- 横路衆議院議長表敬
国会議事堂視察
公明党議員との懇談
自民党議員との懇談
玄葉大臣との会談・夕食会
- 11月16日(水曜日)
- 本邦出発