- 前原外務大臣は,23日(木曜日)午前11時過ぎ(ニューヨーク時間)より約1時間半にわたり,G8外相会合に出席しました。
- 本会合は,本年3月のG8外相会合及び6月のG8首脳会合における政治問題の議論のフォローアップとして行われ,イラン,パキスタン,アフガニスタン,中東和平等について議論が行われました。
イランの核問題については,国連安保理決議1929の下における制裁の着実な履行が重要であるとしつつ,本件の外交的解決に向けた方策について議論が行われました。
パキスタンについては,洪水災害が同国の経済や治安に与える影響等について意見交換があり,パキスタン政府のテロ対策が更に停滞することを防ぐため,また過激派の伸張を防ぐためにも,国際社会が一致して同国を支えていく必要があるとの認識で一致しました。
アフガニスタンについては,同国の主導による治安維持や政治プロセスの推進が重要であり,国際社会としてそのために支援を継続していくべきことで一致しました。また,腐敗対策をはじめアフガニスタン政府によるガバナンスの向上も課題であるとの意見が複数出されました。
中東和平については,各国から直接交渉を支持するとしつつ,両当事者が相互の信頼を築きつつ様々な問題について話し合うことが必要であることで一致しました。直接交渉は開始されたばかりであるがすでに重要な局面に差し掛かっており,両当事者が交渉のテーブルに付いて話し合いを続けること,イスラエルが入植の凍結を継続する必要があることといった意見が複数出されました。
前原大臣からは,尖閣諸島周辺領域内での中国漁船の我が国巡視船に対する衝突事件について,その事実関係を説明するとともに,日本として冷静に対処していることをG8各国に説明しました。また,核問題等北朝鮮を巡る問題も極めて重要であり,G8各国で協力して対応していきたい旨述べました。
この他,G8ムスコカ・サミットのフォローアップとして,ラテンアメリカ及び西アフリカ地域の薬物/麻薬,テロ・組織犯罪の問題についても意見交換が行われました。
- (参考)我が国以外のG8外相会合出席者
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- カナダ(キャノン外相:議長)
- ロシア(ラブロフ外相)
- フランス(クシュネル外相)
- イタリア(フラッティーニ外相)
- 米国(バーンズ国務次官(代理))
- ドイツ(ヴェスターヴェレ外相)
- 英国(ヘーグ外相)
- EU(アシュトン外務・安全保障政策上級代表)