
2010年8月の国連安全保障理事会の主な動き(議長国:ロシア)
イラク
- 5日,国連イラク支援ミッション(UNAMI)のマンデートを2011年7月31日まで延長する決議第1936号を全会一致で採択した。
- これに先立つ4日には,メルケルト事務総長特別代表より,UNAMIの活動状況等につきブリーフィングが行われ,新たに選出されたイラク国会議員らが憲法に従って早期に新政府を発足させることを呼び掛けるとともに,UNAMIによるイラクの新政権樹立プロセスへの支援に対し安保理として支持を表明すること等を内容とするプレス・ステートメントを発出した。
レバノン
- 3日,同日発生したイスラエル・レバノン国境付近での軍事衝突事件に関し,安保理議長は,事件を懸念し,犠牲者に弔意を表し,当事者に自制を求め,UNIFILが事実関係の調査を行い安保理に報告することを求める旨のプレス向け発言を行った。
- 7月30日,国連レバノン暫定隊(UNIFIL)のマンデートを2011年7月31日まで1年間延長する決議第1937号を全会一致で採択した。
ソマリア
- 24日,モガディシュで起きた民間人に対する襲撃事件を非難するプレス・ステートメントを発出した。
- 25日,ソマリア沖海賊の訴追問題に関する事務総長報告書(S/2010/394)を受けた討論が行われ,右報告書の提出を歓迎すること等を内容とする議長声明(S/PRST/2010/16)を発出した。
中東情勢
- 4日,5月31日に発生したガザ支援船団事件について事務総長が調査パネルを設置したことを歓迎するプレス・ステートメントを発出した。
- 17日,フェルナンデス=タランコ政務局次長がブリーフィングを行った。
国連中央アジア予防外交センター(UNRCCA)
- 5日,非公式協議にてイェンチャ事務総長特別代表より,国連中央アジア予防外交センター(UNRCCA)の過去6カ月の活動状況につきブリーフィングが行われ,最近のキルギス情勢を含めたUNRCCAの活動を評価するプレス・ステートメントを発出した。
コンゴ(民)
- 18日,コンゴ(民)東部キルンバで同日発生した国連コンゴ(民)安定化ミッション(MONUSCO)に対する攻撃(インド要員3名死亡・6名負傷)を非難するプレス・ステートメントを発出した。
- 26日,7月末にコンゴ(民)東部で起きた反政府武装勢力や民兵集団による集団性的暴力事件を非難するプレス・ステートメントを発出した。
コソボ
- 3日,ザニエ国連コソボ暫定統治ミッション(UNMIK)事務総長特別代表よりブリーフが行われ,同SRSGは,コソボ独立宣言の合法性に関する国際司法裁判所の勧告的意見の発出がコソボとセルビアが対話を開始する新たな段階を形成するとの見方を示した。コソボを承認する多くの国は勧告的意見を歓迎し,ロシア,セルビアはコソボの独立不承認を改めて強調した。
平和維持活動(PKO)
- 6日,国連リベリア・ミッション(UNMIL),MONUSCO,国連スーダン・ミッション(UNMIS),国連ハイチ安定化ミッション(MINUSTAH)の各司令官と,国連休戦監視団(UNTSO)の参謀総長からブリーフィングが行われ,PKOの質的・量的拡大を踏まえた諸問題につき,理事国・加盟国と意見交換を行った。
チャド・中央アフリカ
- 10日,マムード国連中央アフリカ・チャド・ミッション(MINURCAT)事務総長特別代表からブリーフィングが行われ,決議第1923号に基づくMINURCATの縮小が順調に進んでいること,統合治安部隊(DIS)の運用状況やチャド政府との協議状況,MINURCAT撤退後の中央アフリカ共和国に対する能力強化支援等につき説明した。