
2010年7月の国連安全保障理事会の主な動き(議長国:ナイジェリア)
韓国哨戒艦沈没事案
- 9日,3月26日に起きた韓国海軍艦船天安号沈没事件に関し,天安号の沈没は北朝鮮に責任があるとの結論を出した合同調査団の調査結果にかんがみ,安保理として深い懸念を表明し,沈没をもたらした攻撃を非難し,韓国に対する又は地域における更なるそのような攻撃又は敵対行為を防止することの重要性を強調する議長声明(S/PRST/2010/13)を発出した。
スーダン・ダルフール情勢
- 29日,ダルフール国連AU合同ミッション(UNAMID)のマンデートを2011年7月31日まで1年間延長する決議第1935号を全会一致で採択した。
- 27日,ガンバリ国連AU共同特別代表(JSR)より,現地治安情勢の悪化とUNAMIDの活動への障害等につきブリーフィングが行われた。
- 30日,カルマ避難民キャンプの治安不安定化につき,情勢への憂慮とUNAMIDへの協力を呼び掛けるプレス向け発言を行った。
安保理作業方法
- 27日,安保理作業方法に関する議長ノート(改訂版)(S/2010/507)の発出を了承した。右は安保理の下部機関である文書手続作業部会議長を務めている日本が主導したものであり,2006年に我が国のイニシアチブで作成された議長ノート(S/2006/507)を,現状に即してアップデートしたもの。
ギニアビサウ
- 15日,ムタボバ国連ギニアビサウ統合平和構築事務所(UNIOGBIS)事務総長特別代表(SRSG)よりブリーフィングが行われ,ギニアビサウの政情が依然不安定であることを指摘しつつ,同国が引き続き安定化に取組み,国際社会が同国の情勢を注視していく必要性を説明した。22日,右趣旨を踏まえた議長声明(S/PRST/2010/15)を発出した。
紛争予防
- 16日,アジュモゴビア・ナイジェリア外務大臣の議長の下,アフリカを中心とする「紛争予防と解決」に関する公開討論が開催され,紛争予防と解決のために国・地域・国際社会レベルでの能力開発と協力の必要性を指摘する議長声明(S/PRST/2010/14)を発出した。
アフガニスタン
- 23日,7月20日に開催されたアフガニスタンに関するカブール国際会議の結果等について,非公式協議で潘基文事務総長からのブリーフィングを受けたのに続き,同会議の結果を歓迎すること等を内容とするプレス・ステートメントを発出した。
レバノン
- 9日,非公式協議が開催され,レバノン南部で起きた国連レバノン暫定隊(UNIFIL)に対する移動の妨害等の事件を遺憾とするプレス・ステートメントを発出した。
ウガンダにおけるテロ事件
- 12日,前日にウガンダの首都カンパラで発生した爆弾テロ攻撃事件を強く非難するプレス・ステートメントを発出した。
イランにおける事件
- 16日,同日にイランのザヘダンで発生したテロ攻撃事件を強く非難するプレス・ステートメントを発出した。
エリトリア・ソマリア
- 20日,エリトリア制裁に関する決議第1907号の履行状況等についてパスコー政務局長よりブリーフィングが行われた後,ソマリア制裁に関する決議第1916号に基づく120日毎の定期レビューを行った結果,同決議主文5の措置が引き続き必要であると留意する旨のプレス・ステートメントを発出した。
コソボ
- 6日,タディッチ・セルビア大統領,ヒセニ・コソボ外相も出席して安保理公式会合が開かれ,7月2日にミトロビツァ北部の集会で起きた爆弾事件に関連して各国が見解を述べた。
紛争下の文民保護
- 7日,紛争下の文民保護に関する公開討論が開催され,ホームズ事務次長(人道問題調整担当),ピレー人権高等弁務官のブリーフに引き続き各国が発言し,この分野における法的枠組みの整備の進展や依然として取組が必要な課題等につき意見が交わされた。
イラク
- 12日,イラク開発基金(DFI)の後継メカニズム設置に向けた進展等につき,公開会合にて山崎国連財務官とアブドルバシート・トルキー・サイード財政専門家委員会(COFE)委員長からブリーフィングが行われ,その後非公開会合にて討論が行われた。
国連西アフリカ事務所(UNOWA)
- 13日,国連西アフリカ事務所(UNOWA)のジニットSRSGから,トーゴ,ニジェール,ギニアにおける政治情勢の進展,治安部門改革,麻薬取引,ジェンダー等の分野の進展と,これらにおけるUNOWAの役割等につきブリーフィングが行われた。
中東情勢
- 21日,公開討論が行われ,パスコー政務局長からのブリーフィングに続き各国が発言を行った。5月31日に発生したガザ支援船団事件に関する調査と,ガザ封鎖の解除の必要性につき多くの国が発言した。