
2010年3月の国連安全保障理事会の主な動き(議長国:ガボン)
アフガニスタン
- 22日、国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)のマンデートを一年間延長する決議第1917号を全会一致で採択した。同決議では、今後のUNAMAの優先事項として、1)援助調整、2)ISAFとの協力強化、3)和解・再統合プログラムの実施支援、4)下院議会選挙・選挙制度改革支援を明示した上で、現在の同国情勢及び課題に対する安保理としての評価、また、同国政府や国際社会に対する要請事項等を網羅的に記述している。
- これに先立つ18日には討論が行われ、発言した各国はUNAMAのマンデート延長を支持した。
チャド・中央アフリカ共和国
- 12日、国連中央アフリカ・チャド・ミッション(MINURCAT)のマンデートを2010年5月15日まで2カ月間延長することを決定する決議第1913号を全会一致で採択した。
ソマリア
- 19日、ソマリア・エリトリア制裁委員会モニタリング・グループのマンデートを1年間延長すること等を内容とした決議第1916号を全会一致で採択した。同決議は、昨年12月のエリトリア制裁決議第1907号の採択を踏まえ、同決議の履行状況等を監視するために必要なマンデートを追加するとともに、ソマリア制裁の資産凍結措置について、人道支援に関する例外措置を規定した。
旧ユーゴ国際刑事裁判所(ICTY)
- 旧ユーゴ国際刑事裁判所(ICTY)の訴訟裁判官の人数の上限(12人)は、昨年12月の決議により本年3月31日までは最大13人まで許容することとされていたが、18日、その措置を、2010年6月30日まで又はポポビッチ事件の終了までのいずれか早い期日まで許容することを決定する決議第1915号を全会一致で採択した。
国際司法裁判所(ICJ)
- 18日、史久鏞(Shi Jiuyong)判事が2010年5月28日を以て辞任することに伴い生じる空席を補充するための補欠選挙を、2010年6月29日に安保理会合並びに第64総会会期中の総会会合において行うことを決定する決議第1914号を無投票で採択した。
中部アフリカ地域における違法武器取引
- 19日、中部アフリカ地域における違法武器取引をテーマとする公開討論が行われ、違法武器取引抑制のため地域諸国が対応措置をとるとともに違法武器取引防止のためのメカニズム設置や情報共有のための地域ネットワークの構築等を奨励する議長声明を発出した(S/PRST/2010/6)。
イラン/不拡散
- 4日、決議1737(イラン制裁)委員会議長たる我が方高須大使が90日毎の定期報告を行い、米、英、仏、露、中からはイランの核問題に対する意見の表明があった。
ギニアビサウ
- 5日、ムタボバ国連ギニアビサウ統合平和構築事務所(UNIOGBIS)事務総長特別代表より、ギニアビサウ政府の改革努力とその成果等、同国情勢の改善とともに、治安部門改革を促進するべく軍人の年金基金の創設等、今後の重要課題につきブリーフが行われ、非公式協議の後、同国政府の安定化・改革努力を歓迎し、治安部門改革の重要性を再確認するプレス・ステートメントを発出した。
コートジボワール
- 17日、チョイ国連コートジボワール・ミッション(UNOCI)事務総長特別代表より、今年1月以降表面化した選挙人名簿問題の解決が長引き、その間、選挙プロセスで具体的進展がみられなかったこと、また今後の課題は、暫定版選挙人名簿を基礎として早期に確定版名簿を完成させることである旨のブリーフが行われ、非公式協議の後、選挙プロセスの遅延への懸念を表明し、当事者が引き続きワガドゥグ政治合意の枠内で右プロセスを再開させるよう呼びかけるプレス・ステートメントを発出した。
シエラレオネ
- 22日、シューレンブルク国連シエラレオネ統合平和構築事務所(UNIPSIL)事務総長執行代表より、シエラレオネの現状と課題として、若年層の失業問題、薬物取引問題、汚職対策、2012年の選挙(大統領選、総選挙、地方議会選)につき主にブリーフィングが行われた。また平和構築委員会(PBC)シエラレオネ国別会合議長(カナダ常駐代表)からは、3月8-12日に実施されたPBCによるシエラレオネ訪問の結果を踏まえ、若年層の失業問題等につき発言があった。
中東情勢
- 24日、潘基文事務総長より、19日にモスクワで行われたカルテット会合の結果につきブリーフが行われた。