
2009年12月の国連安全保障理事会の主な動き(議長国:ブルキナファソ)
キプロス
- 14日、国連キプロス平和維持隊(UNFICYP)のマンデートを2010年6月15日まで6カ月間延長する決議第1898号を賛成14票、反対1票(トルコ)、棄権0票で採択した。
ゴラン高原
- 16日、ゴラン高原に展開する国連兵力引き離し監視隊(UNDOF)のマンデートを6カ月間延長する決議第1899号を全会一致で採択した。同時に、包括的和平が達成されない限り現地の緊張状態が続くことを認識する議長声明(S/PRST/2009/34)を発出した。
旧ユーゴ国際刑事裁判所(ICTY)/ルワンダ国際刑事裁判所(ICTR)
- 16日、旧ユーゴ国際刑事裁判所(ICTY)の裁判官任期延長等に関する決議第1900号、及びルワンダ国際刑事裁判所(ICTR)の裁判官任期延長等に関する決議第1901号がそれぞれ全会一致で採択された。
- 3日には、ICTYのロビンソン所長・ブランメルツ検察官、及びICTRのバイロン所長・ジャロー検察官より、それぞれの裁判所の完了政策と残された課題等につきブリーフィングが行われた。
ブルンジ
- 17日、国連ブルンジ統合事務所(BINUB)のマンデートを2010年12月31日まで12カ月間延長する決議第1902号を全会一致で採択した。
- 10日、マムード事務総長執行代表より事務総長報告書の内容を補足する形で和平プロセスの進展及び2010年選挙の課題についてブリーフィングが行われた。
リベリア
- 17日、リベリアに対する制裁措置及び制裁委専門家パネルのマンデートを12カ月間延長する決議第1903号を全会一致で採択した。今次延長された制裁措置からは、リベリア政府に対する武器禁輸が解除され、今後リベリア政府に武器を輸出する際には、制裁委に対して事前に通知することが必要になった。
テロ
- 17日、決議第1267号で課されたアルカーイダ・タリバーン制裁の制裁対象者リスト化作業の改善や同決議に基づくモニタリング・チームの役割強化、リストからの削除申請のためのオンブズパーソンの任命等を内容とする決議第1904号が全会一致で採択された。
イラク
- 21日、イラク開発基金(DFI)及び国際諮問監視理事会(IAMB)の枠組み等の期限を2010年12月31日まで延長する決議第1905号を全会一致で採択した。
- 8日、バグダッドで連続爆弾テロ事件が発生したことを受け、これを強く非難するプレス・ステートメントを発出した。
コンゴ(民)
- 23日、国連コンゴ(民)ミッション(MONUC)のマンデートを2010年5月31日まで5カ月間延長する決議第1906号を全会一致で採択した。
- 16日、ドス事務総長特別代表より、MONUCとコンゴ(民)国軍の共同作戦の終了に向けた報告、MONUCによる国軍への支援政策の見直し等につきブリーフィングが行われた。
エリトリア
- 23日、エリトリアに対して制裁措置を課すため、同国に対する武器禁輸及び制裁委員会が指定する個人・団体に対する渡航禁止・資産凍結等の措置を盛り込んだ決議1907号を賛成13・反対1(リビア)・棄権1(中国)で採択した。
アフリカにおける平和と安全:国際の安全への脅威としての薬物取引
- 8日、ヨダ・ブルキナファソ外相議長の下、標記議題の公開討論が行われ、アフリカを含む世界各地において薬物取引及び国際組織犯罪が国際の安全に対する脅威となっていることに懸念を示し、右に立ち向かうため国際的な協力が強化されることが必要である旨強調する議長声明(S/PRST/2009/32)を発出した。
ソマリア
- 3日、モガディシュで爆弾テロ事件が起きたことを受け、これを強く非難する議長声明(S/PRST/2009/31)を発出した。
コートジボワール
- 8日、コートジボワールの選挙が予定通り11月29日に実施されなかったことに懸念を表明しつつ、明年2月末または3月初頭の選挙実施に向けて当事者が必要な措置をとるよう促す議長声明(S/PRST/2009/33)を発出した。
中央アフリカ共和国
- 21日、国連中央アフリカ平和構築統合事務所(BINUCA)の明年1月1日から1年間の活動開始を歓迎し、包括的政治対話の履行、特に武装解除・動員解除・社会復帰(DDR)と2010年国政選挙の準備の加速化を慫慂する議長声明(S/PRST/2009/34)を発出した。
- これに先立つ15日には、ゼウデ事務総長特別代表より、選挙準備と国連の支援、平和構築基金からの割当の状況等を含むブリーフを受けた。
スーダン
- 4日、オカンポ国際刑事裁判所(ICC)首席検察官より6カ月毎の定期報告を受け、ICCに付託された事件の進展や、ダルフール問題に関するアフリカ連合(AU)パネルとの協議等について説明を受けた。
- 21日、AUパネルの報告書に関し、ムベキ元南ア大統領・ピンAU委員長よりブリーフィングが行われた。
- 15日、非公式協議にて、スーダン制裁委員会議長(オーストリア常駐代表)より90日毎の定期報告を受けた。
- 7日、ダルフール州で4日と5日におきたダルフール国連AU合同ミッション(UNAMID)への攻撃(ルワンダ要員5名が死亡)を強く非難するプレス・ステートメントを発出した。
イラン
- 10日、決議1737(対イラン制裁)委員会議長たる我が方高須大使が90日毎の定期報告を行い、この間、イランから第3国へ向けて出航した船から武器関連物資が発見された事例が2件確認され、この出荷に関係する2国に対して説明を求める書簡が発出されたこと等を説明した。
中東情勢
- 17日、セリー特別調整官よりブリーフィングが行われ、現地情勢は矛盾と相互不信によって逆行との競争になっているとして、イスラエル、パレスチナ双方が和平ロードマップ上のコミットメントの履行に力を入れる必要性を強調した。