科学技術

イーター(ITER)事業

平成29年10月2日

1.概要

 環境への負荷が少なく人類の恒久的なエネルギー源の一つとして期待される核融合エネルギーの科学的,技術的な実現可能性実証を目的に,そのための実験炉を建設・運用する国際共同プロジェクト。多国間の国際約束であるイーター機構設立協定により独自の法人格を有する国際機関であるイーター機構が設立され,同機構が国際熱核融合実験炉「イーター」を建設,運転することとなった。建設期間は約10年,運転期間は約20年を予定。現在,フランス・カダラッシュにイーターを建設中。

2.参加極

 日本,米国,EU,中国,韓国,ロシア,インド

3.スケジュール

 運転開始:2020年(予定),核融合反応:2027年(予定)

4.経緯

  • (1)2001年11月,日,EU,露,加の4極により,イーター機構設立協定の締結及び,サイト選定等に向けた政府間協議を開始。2003年2月,米国がイーター交渉に再参加すると共に,中国が新規に参加した。その後,韓国(2003年6月),インド(2005年12月)が新規参加し,カナダが交渉から撤退した(2003年12月)。
  • (2)イーター本体の建設地に関しては,日本(青森県六ヶ所村)と,EU(仏・カダラッシュ)の2カ所の候補地の間で誘致交渉が行われたが,最終的には,2005年6月にモスクワで開催された6極閣僚級会合においてフランスのカダラッシュにイーターを建設することが決定した。(外務報道官談話(平成17年6月28日))。

(年表)

1985年11月米ソ首脳会談(レーガン・ゴルバチョフ)の共同声明が発端
1988年~2001年7月概念設計活動及び工学設計活動を実施(米は1999年に計画から脱退。)
2001年11月政府間協議開始
2003年2月米,中国が政府間協議に参加
2003年6月韓国が政府間協議に参加
2003年12月カナダが交渉から脱退
2003年12月第1回6極閣僚級会合(ワシントン)。イーター建設地に関する合意にいたらず。
2005年6月第2回6極閣僚級会合(モスクワ)において,フランス・カダラッシュにイーターが建設されることが決定。
2005年11月池田要駐クロアチア大使(当時)をイーター機構長予定者として選出
2005年12月インドが政府間協議に参加
2006年11月ITER機構設立協定,イーター特権免除協定署名。第1回暫定イーター理事会(パリ)。
2007年7月第2回暫定イーター理事会(東京)
2007年10月24日イーター協定発効
2007年11月第1回イーター理事会(仏カダラッシュ),同理事会において池田要ITER機構長予定者を正式に機構長に任命。
2008年6月第2回イーター理事会(青森)
2008年11月第3回イーター理事会(仏・カダラッシュ)
2009年6月第4回イーター理事会(茨城)
2010年11月第5回イーター理事会(仏・カダラッシュ)
2010年6月第6回イーター理事会(中国・蘇州)
2010年7月臨時イーター理事会(仏・カダラッシュ),スケジュール等について記したベースライン文書を承認,本島修氏を新機構長に任命。
2010年11月第7回イーター理事会(仏・カダラッシュ)
2011年6月第8回イーター理事会(青森)
2011年11月第9回イーター理事会(仏・カダラッシュ)

5.イーター事業実施の法的枠組み

 2006年11月にパリにおいてイーター機構設立協定及びイーター特権免除協定が署名された。これらは,すべての署名者が,締結に向けた国内手続きを経て,国際原子力機関事務局長に批准書また受諾書等の寄託を行った後,30日後に発効することとなる。

 我が国は,第166回国会の承認を得て,2007年5月にITER機構設立協定及びITER機構特権免除協定の受諾書の寄託を行った。

 2007年9月,全ての参加極が寄託書をIAEAに寄託,10月にイーター設立協定は発効した。

6.イーター(ITER)の名前の由来

 イーター(ITER)とは,当初,国際熱核融合実験炉(International Thermonuclear Experimental Reactor)の英語の頭文字をとった略語であったが,政府間交渉においては,(略語ではなく)Iイーター事業のために仏・カダラッシュに建設される国際熱核融合実験炉を意味する固有名詞として扱われることとなった。

7.関連サイト


関連リンク

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