平成17年7月10日
31回目を迎えるサミット(主要国首脳会議)は、7月6日から8日まで、英国スコットランドのグレンイーグルズで開催された。
議長であるブレア首相のイニシアティブにより、「アフリカ」と「気候変動」が主要議題。我が国は、1)アフリカについては、これまでのアジアの経済発展の協力の成功の経験、2)気候変動については、高度経済成長期における公害の克服や石油ショックを契機とした省エネ、エネルギー効率の向上の経験を踏まえ、我が国独自の立場から議論。
アフリカ、気候変動(総論・行動計画)、津波、世界経済・石油、貿易、知的財産権、不拡散、テロ、中東和平プロセス、拡大中東構想、イラク、スーダンの12文書が発出された。さらに、議長サマリー(全体総括)を議長が発表。また、サミット期間中の7日にロンドンで発生したテロ攻撃について、急遽声明が発出された。
主要議題に従い、1)アフリカについて、アフリカ諸国(アルジェリア、エチオピア、ガーナ、ナイジェリア、セネガル、南アフリカ、タンザニア、アフリカ連合)、2)気候変動について、新興経済諸国(ブラジル、中国、インド、メキシコ、南アフリカ)の首脳及び国連、IMF、WTO等の国際機関の長が、G8との対話のため招待された。
会議当日の7日午前、ロンドンにおいて連続爆発事件が発生したことを受け、議長のブレア首相が同日一時ロンドンに戻り、その間、ストロー外相等が議長代理を務めたが、ほぼ予定どおり議事日程を終了。
世界経済は堅調な成長が見込まれているが、世界的な不均衡及び高騰する石油価格という課題に対処するため、G8として、構造改革、エネルギー効率の向上、石油市場の透明性の向上などに取組むことに合意した。
WTO香港閣僚会議を重要な足がかりとして、2006年までにWTOドーハラウンド交渉を妥結すべく取組んでいくことに合意。
→我が国は、ドーハ開発ラウンドの成功のためにも、後発開発途上国の市場アクセスの拡大に努めることを表明。
我が国の問題提起によって議題に含まれた。知的財産権の侵害が経済成長のみならず、人々の健康や安全を脅かす問題との認識で一致し、G8が他国や関係国際機関と連携して取り組むことで合意した。
→我が国からは、模倣品や海賊版対策のための条約の必要性を含め、今後国際的に取り組むべきと主張。
省エネ、クリーン・エネルギーの活用などの具体的行動を含む「グレンイーグルズ行動計画」に合意したほか、主要エネルギー需要国との対話の設置等に合意(2008年の日本サミットで対話の結果について報告)。新興経済諸国との対話で、これら諸国が気候変動問題などにおいて、一層の責任を果たすよう求めた。
→我が国は、環境保護と経済発展の両立、そのための技術の活用、3Rの推進と「もったいない」精神の推進、違法伐採対策の強化などを主張(別添:我が国の気候変動イニシアティブ(PDF))
アフリカ自身が自国の開発に第一義的責任を負うことを明確にした上で、開発資金の増額の見通しを立てたことや平和と安定、人材育成、良い統治(ガバナンス)、経済成長を含む幅広い支援策に合意し、G8が一層力強くアフリカを支援していくことで一致。
→我が国は、対アフリカODAの倍増に加え、今後5年間のODA事業量について100億ドルの積み増しを目指すことを表明。保健、人造り、企業家精神支援、農村振興等を通じて、種々の新たな支援策を通じ、アフリカの自助努力を引き続き支援していくことを表明。(別添:我が国の対アフリカ開発支援イニシアティブ(HTML・PDF ))
G8として、ウォルフェンソン・ガザ撤退担当大使から説明を受けた上で、両当事者の和平努力を積極的に支援していくとともに、国際社会の支援を呼びかけていくとの強いメッセージを発出した。
→我が国としての当事者に対する独自の働きかけとともに、対パレスチナ支援(今後、当面総額1億ドル程度)につき強調した。
核兵器関連計画の完全、検証可能かつ不可逆な廃棄とともに、六者会合への直ちの無条件での復帰が不可欠であるとの強いメッセージを発出した。拉致問題についても、議長総括で言及された。
→我が国から、北朝鮮の核、ミサイル、拉致の包括的解決の重要性を訴え、各国の理解を得た。
9月の国連首脳会合に向け、諸分野における改革の重要性が強調された。
→我が国より、G8の場や、二国間会談、G4との会談において、安保理改革を含め、平和と安全、開発、人権・人道という広範な範囲での包括的な改革の必要性を強調した。
Adobe Systemsのウェブサイトより、Acrobatで作成されたPDFファイルを読むための Acrobat Readerを無料でダウンロードすることができます。左記ボタンをクリックし て、Adobe Systemsのウェブサイトからご使用のコンピュータのOS用のソフトウェア を入手してください。