
G8外相会合:議長総括(骨子)
平成23年3月15日
(仮訳・英文)
- G8外相は、3月14日、15日にパリで会合を開催。
- 日本政府と日本の人々に同情と哀悼の意を表明。G8各国は、災害の影響を乗り越えるためにあらゆる支援を提供する用意がある。松本外務大臣による最新状況の詳細な説明に感謝。外相はこの危機を解決するための日本政府の能力に完全なる信頼を示し、日本の人々が示している勇気と威厳に敬意を表した。
- 中東及び北アフリカにおいて続く大きな変動に関し議論。
(リビア)
- 人々による民主主義及び繁栄の将来に対する正当な熱意を支持。カダフィ革命指導者に対し、リビアの人々の正当な主張を尊重するよう要求。国連安保理がリビアの人々を守るために様々な措置を検討すべきことで一致。アラブ連盟の宣言を歓迎。人道的支援の努力を歓迎し、さらなる人道的措置を支持。
(中東及び北アフリカ)
- 人々の民主主義への熱意、自国の進展と繁栄への貢献を願う人々の希望を認識。平和的で民主的な移行を支援する用意があることを表明。声を上げ変化を起こすための勇気ある決然とした人々の行動を賞賛。エジプト及びチュニジアが望むのであれば、透明で民主的かつ公平な選挙プロセスの迅速な構築とその監視を含む民主主義への移行について支援を行う用意がある。G8と拡大中東・北アフリカ構想(BMENA)のパートナーシップの価値を確認。
- レバノンの統一性、主権、独立性に対する継続的なコミットメントを確認。独立の裁判所としてのレバノン特別法廷(STL)に対するコミットメントを再確認。
(更なるG8の行動)
- 平和的変革、発展、繁栄の拡大を支援するための具体的な措置を提供するG8の取組に他の国々も参加することを呼びかけ。自由なメディアの発展、NGOの能力強化、職業訓練及び社会に責任を有するビジネスの発達などを促進する観点から、地域における市民社会との対話を拡大することを決意。エジプトとチュニジアにおいて、経済的悪影響を緩和するための短期的な手段を考慮する用意があることを表明。
(中東和平プロセス)
- 2011年9月までに最終的地位に関する枠組み合意を締結することに引き続きコミット。二国家解決を堅持。当事者に対し、実質的な直接対話に復帰するよう要請。
- 法の支配に基づき、イスラエルと平和で安全に共存する、民主的で平和な国家を運営する能力を向上するためのパレスチナ自治政府による努力を賞賛。当事者による一方的な行動の自制を要請。1967年に占領された土地への入植活動は平和への主要な障害であり停止されるべき。
- 核不拡散条約(NPT)運用検討会議において支持された中東非大量破壊兵器地帯設置に関する会議を2012年に開催することへ引き続きコミット。
(アフリカ)
- アフリカとの長年の協力関係を継続していくこと及びAUの平和安全保障機構への支援継続。
- コートジボワールの全ての関係者に対し、人々の意思と選挙の結果を尊重するよう要請し、AU安全保障理事会の決定に対する支持を強調。
- スーダンにおける国民投票の成功裡の実施に祝意。依然として継続している暴力への懸念を表明。ハルツームとジュバにおける政府およびスーダンの人々への支援を行う用意があることを表明。
- ソマリアの人々が20年来の紛争の影響に悩まされ続けていることを深刻に懸念。すべての暫定連邦機構が建設的に協働し政治改革を加速するよう要請。
- ソマリアを発生源とする海賊がもたらす深刻な脅威に対する強い懸念を表明。海上での措置及び地域の長期的な取組を通じて、この脅威に引き続き断固として立ち向かうG8各国の決意を強調。
- 大湖地域における平和と安全を強化する努力を支援する決意を表明。コンゴ民主共和国における2011年の自由で公平な選挙の重要性を強調。
(アフガニスタン)
- 安定し平和で独立し、外部の干渉や過激な暴力から自由であり、自らの安全や統治そして開発に完全なオーナーシップを有するアフガニスタンに対するコミットメントを再確認。和平と国民和解のための対話を開始するアフガニスタン政府の決定を歓迎し、アフガニスタン主導によるそのプロセスを支援する用意を確認。地域的な視点の重要性を強調。国境をまたぐ鉄道、水、エネルギー、人材などの協力の拡大を歓迎。
(ハイチ)
- 地震災害後一年を経てもなお、復興は依然として大きな課題。3月20日の大統領選挙及び議会選挙の重要性を強調し、その平和で秩序だった実施を呼びかけ。
- 不拡散及び軍縮についても議論。拡散との闘いへの努力、2010年NPT運用検討会議のフォローアップ、包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効と普遍化の促進、兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)について軍縮会議(CD)における実質的な交渉の開始に対する決意を再確認。
- 国連安保理決議第1718号及び第1874号に違反する北朝鮮のウラン濃縮活動を非難。北朝鮮に対し、国際的な義務と約束を遵守し、拉致問題を含め国際社会の人道上の懸念に直ちに取り組むことを要請。
- イランによる国連安保理決議等の義務の不遵守は大きな懸念。イランが建設的な対話に応じていないことに遺憾の意を表明。核兵器不拡散条約(NPT)の下でイランが有する権利には、国際的な義務を遵守する責任が伴うことを想起。
- G8グローバル・パートナーシップの貴重な役割を再確認。
- テロの脅威が変化することに伴い、多面的で協調のとれたパートナーシップが一層必要とされていることに留意。ムスコカ・サミットで示された優先課題に則り連帯と協力を強化することを強調。
- 不法薬物の流通を阻止するための国際的な協調を強化する機会として、5月10日に開催される大西洋両岸のコカイン密輸に関する閣僚級会合に期待。
- 生物兵器禁止条約(BWC)に関する共同声明(仮訳・英文)の発出に合意。