G7 / G8

G8外相会合(概要)

平成24年4月12日

 4月11日及び12日,米国ワシントンにおいてG8外相会合が開催されたところ,議論の概要は以下のとおり(G8各国外相及びEU外交安保上級代表が出席(一部議題については代理)。我が国からは玄葉外務大臣が出席)。会合終了後,議長声明 (骨子北朝鮮部分(抜粋仮訳)) が発出された。

  1. 北朝鮮
     玄葉大臣から冒頭発言を行い,これまで関係国と連携して北朝鮮に対し非核化等への具体的行動を求めてきているが,北朝鮮が「人工衛星」と称するミサイル発射を予告したことは遺憾である,ミサイル発射は地域の平和と安定を直接脅かす行為であり,強行されれば明白な安保理決議違反であって容認できない,G8が連携して北朝鮮に対し強く自制を求めることが重要である旨述べた。各国から,これに対して賛同する発言がなされ,発射が強行された場合も含め,G8外相が一体となり緊密に連携していくことが重要との認識で一致した。ウラン濃縮・不拡散問題についても容認できないとの点で一致。また,北朝鮮の人権状況に関する国連総会決議等の対応を含め,拉致問題の解決に向けたG8各国の理解と支持を要請した。
  2. イラン
     国際社会の「対話と圧力」のアプローチを通じた外交的解決の重要性について見解が一致した。玄葉大臣からは,国際社会の「圧力」が真に効果的なものとなり,「圧力」を上手く「対話」につなげることが重要であると指摘。この観点から,4月14日のEU3+3とイランの協議が実質的な成果につながることを期待しつつ,我が国政府としても適切なタイミングでイランへの働きかけを行う考えであると述べ,さらなる情報の共有を求めた。
  3. シリア
     ダーヴトオール・トルコ外相の要請を受けて,同外相とのビデオ会議が設定され,シリアからの避難民の増大がもたらしている人道面の課題等について,同外相からの説明があり,その上でG8間の議論が行われた。アナン特使による「6項目の提案」を受け,シリアでの暴力停止の期限が現地時間12日午前6時となっていることを踏まえ,その実現に期待することで一致した。また,シリアでの暴力が依然継続している現状に留意し,暴力を即時停止することが重要であるとの指摘があった。
  4. アフガニスタン
     アフガニスタン政府・国民がこれまでに多くの進展を遂げてきたことを評価しつつ,2014年末までの権限移譲の成功及びアフガニスタンの復興・安定に引き続きコミットしていく必要性について認識を共有。各国から,アフガニスタン政府がガバナンス,腐敗対策,女性の権利等について改善を図る必要性についても指摘があった。我が国からは,5月のG8サミット,NATOシカゴ首脳会合及び7月の東京会合という重要な国際会議が今後続くことを踏まえ,東京会合においては,NATOシカゴ首脳会合において,まず治安分野での問題解決を図った上で,持続可能な開発について焦点を当て道筋を作っていくとの考え方を紹介し,G8各国外相の参加と積極的な支援を要請した。
  5. ミャンマー
     玄葉大臣から,4月1日の補欠選挙を含め,最近の民主化・国民和解に向けた実質的な進展を評価しつつ,更なる改革努力を後押しするため,国際社会が一体として支援する必要性を強調。各国外相からも基本的に同様の認識が示された。議論においては,改革の進展に応じて国際社会の側が支援を進めるというステップ・バイ・ステップのアプローチや,議会・政治分野の制度整備・人材育成の重要性等についても指摘があった。
  6. このほか,中東・北アフリカ地域の政治的移行におけるドーヴィル・パートナーシップのフォローアップ,中東和平,アフリカ,テロリズム・海賊問題・食糧安全保障といった国境を越える課題,国際の平和と安全における女性の役割,サイバー安全保障等についても議論が交わされた。

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