平和維持・平和構築
研修員の声
令和4年度研修員 仲亀奈保子さんの声
プロフィール
米国にて学士号取得後、上智大学国際教養学部学士号取得。ダブリンシティ大学(アイルランド)にて国際関係学修士号取得。インド、マレーシアにて企業での勤務を経験後、NGOのプロジェクトマネージャーとしてルワンダとラオスに駐在。その後在ザンビア日本大使館勤務を経て本事業に参加。カンボジア国連常駐調整官事務所(UN Resident Coordinator’s Office)にて平和・開発分析官(Peace and Development Analyst)として勤務。任期終了した現在も契約を延長し同事務所にて勤務中。
平和構築・開発におけるグローバル人材育成事業に応募した理由を教えてください。
国際支援・開発の分野で仕事をする中でいつか国連で働きたいと思っていました。国連でキャリアを積むにあたり、競争率の高い国連への入口となる素晴らしい機会だと思い、応募しました。また国連の中で縦のつながりではなく、横のつながりのネットワークを構築できることも魅力だと思ったのもこの事業に応募した理由の一つです。
国内研修に参加した感想は?
今振り返っても非常に濃厚で貴重な時間でした。経験豊富な講師陣や多様なバックグラウンドを持つ同期に恵まれ、ネットワークを築くことが出来ました。講師の方々や同期には現在も相談に乗っていただくこともあります。また、研修中の実践的な講義やグループワークと同様の状況に国連で勤務してから遭遇することがあったり、事務所のミーティングでも研修中に習った戦略的思考がとても役に立っていたりします。国連で勤務するにあたって知識面やメンタル面での準備が出来たと思います。今でも国内研修中にとったノートを勤務中に見返して初心に戻って学ぶことも多々あります。
業務内容について教えてください。
カンボジア国連常駐調整官事務所(UNRCO)は、国連事務総長の代理である常駐調整官の指揮の下、カンボジア国内の戦略計画、経済分析、パートナーシップ、開発資金、データ分析、アドボカシーの各分野にわたる国連全体の活動のプログラム調整からオペレーションの支援までを担っており、カンボジア国内の国連機関をまとめる組織です。その中で私の平和・開発分析官(Peace and Development Analyst (PDA))は国連開発計画(UNDP)と国連政務・平和構築局(DPPA)の共同プログラムの下、紛争予防、平和構築、国家能力(発展)構築を目的に作られたポストです。当該国における平和構築や紛争予防、発展を分析しつつ、国連機関が平和構築などの分野での発展に寄与できるように、そして、より効果的にプロジェクトが行われるようにサポートやアドバイスを行うことが主な業務です。また所属がUNRCOであることから常任調整官の代わりに当該国政府からの招待を受けて会議に参加したり、常駐調整官や国連機関が発表する声明のドラフトを作成したりすることもあります。業務は平和構築、開発、人道、政府との連携等、多岐に及び、また、一言で平和構築といっても多様な平和構築アプローチがあります。さらに国内情勢も影響するため、一言で「私の業務は~。」というように説明することは難しいですが、私はその業務の多様性がPDAとしての魅力の一つだと思っています。
海外派遣での感想は?一番印象に残っていることは?
UNRCOの大きな役目の一つとして国連全体の開発目標4か年計画である「国連持続可能な開発協力枠組(UN Sustainable Development Cooperation Framework (UNSDCF))」の策定があります。UNSDCFは4年に一度更新され、カンボジアでは2024年~2028年まで国連が国内の開発計画を執行します。4年間の国連機関の強化分野や予算が決まる重要なものです。着任してすぐにUNSDCF策定に携わり、最終的にカンボジア政府との署名に至ったことはその後の大きな力となりました。新政権の発足とUNSDCFの策定という重要な時期に国連機関を代表するUNRCOの中でカンボジアの発展に貢献させていただいていることにやりがいと喜びを感じています。また、ニューヨークの国連本部にて行われた世界中のPDAが集まって行われた研修では、同じポストの仲間ができ、各国でPDAが直面している問題や課題を共有するコミュニティを構築できたこともとても印象的です。
UNSDCF署名式の集合写真
(写真提供:UNRCO)
UNSDCF署名式にて
(写真提供:UNRCO)
国連本部でのPDA研修にて
今後のキャリア・プランを教えてください。
1年間の国連ボランティア(UNV)としての勤務終了後、契約を延長いただき、引き続きカンボジアのUNRCOにて勤務しています。同事務所で勤務を開始してから1年が経ち、ようやく自分がどのように動けるかや貢献できるかを理解できるようになり、仕事がより楽しくなってきました。今後もガバナンスや平和構築での専門性や政策分析・政策提言の分野でのスキルを向上させていきたいと思っています。
事業への参加を考えている方にメッセージをお願いします。
本事業は私のキャリア構築にあたって大きなインパクトとなりました。この事業で得た人脈、学び、経験は人として私を大きく成長させてくれました。また国連で働くという大きな夢のスタートの第一歩の機会を頂けたことにとても感謝しています。国連では世界各国からエキスパートが集まって仕事をしています。その中で常に心に留めておきたい大事なことを、本事業を通じて学ぶことが出来ました。本事業は自分に向き合い、国連で自分がどのように貢献できるのか、どう貢献したいのかを見極める機会ですので、国連で勤務されたい方にとっては国連でのキャリアへの足がかりとなると思います。
市民社会組織と常任調整官及び国連機関の対話ミーティングにて
(写真提供UNRCO)
