外交政策

平成25年9月26日
(写真提供:内閣広報室)
(写真提供:内閣広報室)

 9月26日(ニューヨーク現地時間),国連総会の機会に,安倍総理は,日・アフリカ地域経済共同体(RECs)議長国首脳会合を主催した。本会合では,TICADVのフォローアップの一環として,アフリカの農業開発をテーマに議論を行ったところ,概要以下のとおり。

1 出席者

日本側:安倍総理(議長),田中JICA理事長

アフリカ側:
・ 西部アフリカ諸国経済共同体:ウワタラ・コートジボワール大統領
・ 南部アフリカ開発共同体:バンダ・マラウイ大統領
・ アラブ・マグレブ連合:ゼイダーン・リビア首相
・ 東南部アフリカ市場共同体及び東アフリカ共同体:クテサ・ウガンダ外務大臣
・ 中部アフリカ諸国経済共同体及びサヘル・サハラ諸国国家共同体:ムーサ=ファキ・チャド外務・ アフリカ統合大臣
・ 政府間開発機構:テドロス・エチオピア外務大臣
・ NEPAD:ンジャイ・セネガル外務・在外セネガル人大臣

 その他,マヤキNEPAD長官,スーカ・アフリカ開発銀行人材開発局長,TICAD共催者(国連,UNDP,世銀,AUC),各RECs事務局関係者をはじめ,計約100名が参加。

2 概要

(1)冒頭,安倍総理より,『今回の会合を通じ,農業従事者を成長の主人公にするとのTICADVの目標を実現するための方途について,率直に意見交換したい』旨述べ,アフリカで,付加価値の高い農業ビジネスを立ち上げた日本人女性や,ネリカ米を始めとする日本ならではの農業支援を紹介した。また,安倍総理は,『「食べるため」の農業だけでなく,「稼ぐため」の農業を目指すべきであり,農民が豊かな生活を送るようになれば,アフリカは,その成長を支える巨大な消費市場へと変わっていく』旨強調した。(スピーチ(日本語(PDF)PDF英語(PDF)PDF

(2)これに対し,各RECs議長国首脳からは,農業開発におけるRECsの取組について紹介があったほか,地域における栄養・食料安全保障を確保する上で農業生産性向上は喫緊の課題であること,また,各種農産品の加工技術やインフラ整備を通じた農産物の流通網の拡大等,農業をビジネスとして成立させるための支援が必要であるとの発言がなされた。

(3)双方は,農業従事者を成長の主人公にするとのTICADVの目標実現に向け,国レベルを超え,地域(RECs)レベルでも協力を強化していくこと,また,TICAD Vのフォローアップを着実に実施していくことで一致した。

3 評価

(1)本会合は,本年6月に行われたTICAD Vのフォローアップとなる最初の機会であり,また,我が国とRECs議長国との初の首脳会合であった。TICAD Vで掲げた目標の実現に向けて,アフリカの国レベルを越え,地域レベルも含めた,重層的な関係強化をはかる必要性が認識された。

(2)農業開発におけるRECsの取組や課題等について,率直な意見交換を行い,農業分野におけるアフリカとの協力の方向性を確認した。

(3)日本ならではの農業支援のあり方をアフリカ諸国に発信し,農業開発における日本のプレゼンスを示すことができた。


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