外交政策

サンクトペテルブルク行動計画(骨子)(仮訳)

平成25年9月6日

英語版 (English)

 世界経済の課題に対処し、世界経済をより強固で、より持続可能かつ均衡ある成長 の道筋に乗せるために、我々はこの行動計画に示したとおり、これまでの行動を踏まえ、新たな措置を策定した。行動計画は、意欲的かつ的を絞った改革により、 強固で持続可能かつ均衡ある成長の基礎を強化すると同時に、経済活動と雇用創出を押し上げ、回復を支え、今後の見通しに対する短期的なリスクに対処するために策定されている。
 
回復の下支えと短期的なリスクへの対処
 
 G20の当面の焦点は、先進国における回復の兆候をとらえ、これが世界経済全体の利益のために持続的なものとなるよう、適時の行動により、成長と雇用を増加させる状況を創出することにある。
  • ユーロ圏は、銀行のバランスシートを強化し、金融市場の分断化を縮小させるための更なる努力や、銀行同盟に向けた更に迅速な進展などを通じ、経済通貨統合の基礎を強化することにコミットしている。
  • G20の先進国は,引き続き持続可能な財政にコミットしつつ、経済成長と雇用を支えるために、財政戦略の実施に際しては機動的な姿勢を維持することで一致している。
  • いくつかの国は、支出の組換えや民間投資を喚起する活動を通じ、成長を支えるための更なる的を絞った措置や投資を提案した。
  1. 英国は、経常支出を節減する一方、特に55億ポンドの追加インフラ投資や短期的なビジネス支援などの資本支出へと優先順位の見直しを行っている。
  2. EUは、合意された欧州投資銀行(EIB)の資本拡大を活用して、イノベーションとスキルへの投資を促進し、中小企業の融資へのアクセスを円滑化し、戦略的インフラの開発を支援する。 等
  • 金融市場の変動の増加に直面し、新興国は、ファンダメンタルズを改善させ、外からのショックに対する耐性を高め、金融システムを強化するための取組みを含め、成長を支え、安定を維持するために必要な行動をとることで一致している。
  • 金融政策は、中央銀行の各々のマンデートに従って、引き続き国内の物価安定と経済回復を支えることに向けられる。
  1. FRBは、物価安定の文脈の中で労働市場の見通しが著しく改善するまで、資産購入プログラムを続け、適切な場合には他の政策手段を活用する意図がある。
  2. 日本銀行は、2年程度の期間を念頭に置いて、消費者物価指数で年率2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現するために量的・質的金融緩和を今年4月に導入した。この政策の下、マネタリーベース及び長期国債・ETFの保有額を2年間で2倍に拡大し、長期国債買入れの平均残存期間を2倍以上に延長する。
  3. ECBの理事会は、主要なユーロ圏の金利が長期にわたり、現在の水準またはそれより低い水準にとどまると予測。 等
 
強固で持続可能かつ均衡ある成長に向けた基盤の強化
 
財政の持続可能性の向上
 
 先進国において、財政の持続可能性を確保しつつ、より強固で持続可能な回復を実現することは、引き続き重要。全ての先進国は、期待をより安定させるため、信頼に足る各国個別の中期的な財政戦略を策定した。これらの戦略は、各国の状況を反映しており、債務対GDP比を持続可能な道筋に乗せつつ、経済成長と雇用創出を支えるため、短期的な経済状況を勘案し、機動的に実施される。
 
 合意に沿って、全ての先進国は、中期にわたり債務対GDP比を安定化または縮減させることに向けられた戦略を提示した。カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、韓国、スペインは、2016年以降の債務対GDP比に関する各国毎の目標を通じて、債務対GDP比を減少させることを明示的にコミット。英国は、債務の例外的上昇に対処した後に、債務目標を設定することにコミット。オーストラリアは、債務が少ないことを踏まえ、中期にわたり財政の持続可能性を維持することにコミット。日本は、2020年度までにプライマリー・バランスの黒字を達成した後、政府債務対GDP比を安定的に縮減することを目指す。米国では、大統領予算教書は、連邦政府の債務が、次の10年間で減少する道筋に乗っていると予測。
 
 多くの新興国も,財務の持続可能性を促進するための戦略の主要な要素を提示。
 
 これらの中期戦略は、信認と持続的な成長を支え、ショックに対する経済・財政の耐性を強化するだろう。これは、各国が今後、重要な財政課題(高齢化関係支出など)に対処する上での助けとなるだろう。また、これらは、財政余地を生み出すことを助け、必要に応じて裁量的措置を実施し、自動安定化装置の完全な作動を許容するための、更なる余地を各国に与えるだろう。全体として、これらの戦略は、雇用や成長の支援の文脈の中で達成された、財政の持続可能性に対するG20コミットメントの有意義な強化を示すものである。
 
構造改革
 
より強固な成長

 投資を促進するための改革は、成長力を引き上げ、雇用を生み出し、必要とされる世界的なリバランスに貢献しうる。
  • 中国は、サービス産業の付加価値のGDPに占める割合を2015年までに4%引き上げる。また、研究開発への支出を対GDP比で2.2%まで増加させる。
  • 日本は、海外からの投資を呼び込むような大胆な規制改革等の措置により、日本のビジネス環境を向上させるための「国家戦略特区」を創設し、他の措置と併せて2020年の対内直接投資残高を2012年の水準から35兆円へ倍増することを目指す。
  • 米国は、公共投資の拡大やインフラ資産への民間投資の促進の双方を通じ、インフラを改善する。 等
 強固な成長のための重要な前提条件として、各国は生産性と競争力を向上させることを目的とした措置にもコミットしてきた。
  • フランスは、2013年末までに、住宅、交通、エネルギー市場の効率性を向上させるための措置を講ずることをコミット。
  • 英国は、2015年までに法人税率の20%までの引き下げを加速させることを通じ、ビジネスの負担を軽減するための措置をとる。 等
 全てのメンバー国は、より強固で持続可能かつ均衡ある世界の成長のために必要条件である、開かれた貿易及び投資、市場の拡大並びにあらゆる形態の保護主義の抑止に引き続きコミット。
 
持続可能な成長
 
 非正規経済の規模を縮小しつつ、長期の構造的失業を縮減し、雇用を増加させるための労働力参加の促進と人的資本の開発を目指した改革は、経済活動を支える上で重要な影響を与えうる。
  • 日本は、2020年までに女性(25歳-44歳)の就業率を73%へ引き上げるため、保育の受け皿を増加させることを含めた労働改革措置を講ずる。
  • 米国は、米国の労働者の訓練とスキルに投資することにより、経済の成長力を高めるとともに、特に長期の失業者のために労働市場の回復を進展させ続ける。 等
 全てのG20国は、過去に合意された金融市場改革の適時の実施に完全にコミットしている。いくつかの国は、国内の金融システムをより強固なものとし、将来の金融危機のリスクを抑制するための追加的な改革を提案してきた。
  • 日本は、最近成立した金融機関の破綻処理の枠組みを規定する改正預金保険法を着実に実施する。
  • 米国は、以下を目的とする更なる改革を引き続き実施する。銀行システムにおけるレバレッジの減少。自己勘定取引及びMMF等のシャドーバンキング部門から発生するリスクの減少等。 等
均衡ある成長

 我々は黒字国と赤字国との間における世界の需要のリバランス及び国内のリバランスに向け、更なる政策調整を実施することを決意している。大幅な黒字国は、より強い内需の成長を実現し、赤字国は貯蓄を増加させ、競争力を高め、より柔軟な為替レートを実現することが不可欠。
  • 大幅な財政赤字国は財政状況を改善させてきた。これを続けることで、国内貯蓄を増加させる。
  • 中国は引き続き、経済発展のパターンを変化させ、内需を押し上げることにコミットしている。
  • ドイツは、特に輸入促進につながるビジネス投資等を更に強化するため、ユーロ圏における信頼に足る改革の実施、健全な財政、成長力向上のための継続した改革を積極的に促進する。
  • 米国は、財政赤字の削減と家計貯蓄の促進、製造業における競争力の向上、訓練及び職業教育の拡大、国内でのエネルギー生産を可能とする投資環境の維持などにより、対外収支を強化する幅広い政策を追求している。 等
 上述の全ての分野における各国毎の改革コミットメントの詳細は。今後とも、我々は構造改革のアジェンダを強化するための作業を続ける。
 
 行動計画は、強固で持続可能かつ均衡ある成長を実現するための我々の改革を示す。さらに、にある我々の説明責任評価は、これまでのコミットメントの進捗を記載。我々は、対処すべき残された主な障害や、より強固で持続可能かつ均衡ある成長を各国で達成するために必要な改革を特定する。我々は、財務大臣に対し、包括的な成長戦略をさらに策定し、ブリスベン・サミットにおいて提示することを求める。
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