人道支援

令和7年9月5日

 8月19日は、国連総会で定められた「世界人道デー(World Humanitarian Day)」です。2003年のこの日、イラク・バグダッドの国連事務所本部が爆撃され、セルジオ・ヴィエイラ・デ・メロ国連事務総長特別代表を含む22名の人道支援関係者が犠牲になり、100名以上が負傷するという痛ましい事件が起きました。

 現在、紛争や自然災害等により支援を必要とする人々は世界中で3億人にのぼります。世界人道デーは、世界各地で起きている紛争や自然災害などの人道問題に焦点をあて、支援の輪を広げるとともに、困難な現場で人道支援に携わる人々に思いを寄せるための日です。

 毎年、世界的なキャンペーンが展開され、各地で関連イベントが開催されております。2025年の世界共通のテーマは、人道支援関係者の死傷者が過去最多を更新していることを受けて、前年に引き続き「#ActForHumanity(人道のために行動を)」です。#ActForHumanityキャンペーンは、犠牲となられた人道支援関係者へ哀悼の意を表するとともに、人道的保護を道徳上の歎願というだけでなく、国際人道法上の法的義務であると訴えます。世界市民一人ひとりが、国際人道法の遵守、人道支援関係者や民間人の保護、そして説明責任の確保を、為政者や紛争当事者に求めて声をあげることを目指します。

 日本は、人間の安全保障を外交の柱のひとつに掲げ、各国や国際機関等と協力し、人道支援を積極的に実施しています。この機会に、一人でも多くの命を救うために、困難な現場で絶え間なく尽力する人道支援関係者の方々に改めて敬意を表すると共に、世界人道デーが、多くの方々に世界が直面する人道課題について考えていただくきっかけとなることを期待します。

 キャンペーンの詳細は、以下のサイトをご覧ください。

ここはかつて市場でした(武力紛争の当事者は、市民を飢えるさせることを戦争手段として使用してはならず、これは国際人道法で禁止されています)
ここはかつて病院でした(国際人道法では、武力紛争の当事者は、医療従事者や医療施設、医療輸送、医療物資を保護する義務があります)
ここはかつて学校でした(武力紛争の当事者は、学生、教師、又は学校を攻撃の対象にしてはなりません これらは国際人道法の下で保護されています)
ここはかつて遊び場でした(国際人道法では、武力紛争の当事者は、子供を保護する義務があります)
ここはかつて家でした(国際人道法は、武力紛争の当事者が、生徒や教師、学校を標的とした攻撃を行うことを禁止しています)

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