外交政策
エネルギ-と気候に関する主要経済国フォ-ラム(MEF)第15回会合(概要)
平成25年4月12日
1.日程・場所
4月12日,ワシントン
2.参加国
(1) 18か国(日,米,英,仏,独,伊,加,露,中,印,韓,豪州,メキシコ,南ア,ブラジル,インドネシア,EU(アイルランド(議長国)及び欧州委員会(EC)),ポーランド(COP19議長国),国連が参加し, NZ,シンガポール,デンマーク,サウジアラビア,ノルウェー,ADP共同議長がオブザーバーとして出席。
(我が国からは,香川外務省地球規模課題審議官ほかが出席。)
(2) 議長はマイク・フローマン米大統領府国家安全保障次席補佐官。
3.議論の概要
(1)MEFアクション・アジェンダ
米国より,主要な温室効果ガス排出セクターにおける共同の取組であるMEFアクション・アジェンダを立ち上げる,これは低炭素成長への移行を促進する自主的な取組であり,気候変動交渉を補完するものであるとの発言があり,本年の取組として建築物の効率性に関するイニシアティブの説明があった。これに対し,各国からはMEFアクション・アジェンダに対する支持が表明されるとともに,建物の効率化に関する各国の取組が紹介された。他方で,MEFとしての目標がUNFCCCに代わって各国の目標・コミットメントを設定するものであるべきではないこと等の指摘があった。
今後はワーキング・グループを設置することで合意し,5月に第一回会合を開催し,MEFとしての目標,成果に関する透明性の確保,他の取組との連携などについて議論を行いつつ,MEF各国のベスト・プラクティスや知見の共有を進めていくこととなった。この関連で,米エネルギー省から来週インドで開催されるクリーン・エネルギー大臣会合の説明があった。
我が国からは,MEFアクション・アジェンダに対する支持とその推進に向けて貢献する意思があることを表明するとともに,省エネルギー法に基づくトップランナー制度や住宅・建築物の省エネ基準の改定,「都市の低炭素化に関する法律」に基づく税優遇措置や低炭素社会を創出するためのファイナンス・イニシアティブ等,建築物の省エネに関する我が国の最近の取組を紹介した。
(2)2020年以降の将来枠組み
昨年末のCOP18を踏まえて,2020年以降の将来枠組みのあり方について実質的な意見交換が行われた。 幅広い参加を得つつ野心を向上させるような将来枠組みの構造に関して,幅広い参加を得るためには各国の事情を考慮するような柔軟性が必要である,野心を向上させるためにはインセンティブを組み入れる必要があるといった意見が出された。同時に,しっかりしたアカウンティング,法形式のあり方,科学に基づく議論などに言及があった。すべての国に対する適用に関する解釈についても議論があった。
また,新たな枠組みにおける共通だが差異のある責任や各国の能力,衡平のあり方については,歴史的責任に基づき国連気候変動枠組条約の下での区分は維持されるべきである,附属書I国が削減に向けた第一義的な責任を有している,といった意見があった。一方,国連気候変動枠組条約の原則は維持されるものの,経済発展や各国能力は変化するものであり,各国の事情を踏まえた対応を行うべきといった意見があった。
我が国からは,今年はADPの議論をより焦点を絞ったものにすべき,将来枠組みでは,すべての国の参加が最も重要であり,各国の事情を考慮しつつ,各国の野心を最大化するような柔軟な構造とすべきである,野心向上にはピア・レビューといった制度が考えられる,また,米国が提案している各国の取組を事前に国際的にチェックする仕組みは透明性を高める観点から興味深い等と発言した。
(3)その他
次回のMEFは6月又は7月に開催し,9月にMEFアクション・アジェンダの立ち上げを目指したいとの表明があった。