生物・化学兵器

平成25年8月20日
(春日日本学術会議副会長によるプレゼンテーション)

1.概要

(1) 8月12日から16日まで,生物兵器禁止条約(BWC)専門家会合がジュネーブ(スイス)において開催され,我が国を含む締約国81か国が参加しました。また,署名国3か国(ミャンマー,ネパール,タンザニア),未署名国2か国(イスラエル,ナミビア),国連(国連軍縮部(ODA),1540委員会を含む),欧州連合(EU),国際連合食糧農業機関(FAO),国際赤十字委員会(ICRC),国際刑事警察機構(ICPO),化学兵器禁止機関(OPCW),国際保健機関(WHO),国際獣疫機関(OIE)がオブザーバーとして参加しました。

(2) 今次会合では2011年12月に開催された第7回運用検討会議の決定を受け,1)国際協力・支援,2)科学技術の進展のレビュー,3)国内実施強化,の3つの常設課題と,信頼醸成措置(CBM)提出促進(2012,2013年)の課題について,2012年会合の議論を受けて,締約国専門家,国際機関及び関連団体によるプレゼンテーションが行われたほか,科学技術のデュアルユース性(用途の両義性)にかかる教育や科学者の行動規範に関するもの等,種々のサイドイベントも行われました。

(3) 我が国からは,専門家として春日文子日本学術会議副会長が参加しました。春日副会長は,科学者の行動規範にかかる日本学術会議の最近の活動についてのプレゼンテーションを行いました。

2.評価

(1) 今次会合で,各国より政府関係者に加えて多数の専門家が参加し,上記4つの議題について,活発かつ率直な議論が行われたことは,条約の実施強化に向けた各国の積極的な姿勢を示すものであり,12月の締約国会合において更に議論が深まることが期待されます。

(2) 我が国は専門家によるプレゼンテーション実施により,科学技術の持つデュアルユース性を踏まえた科学者の行動規範の改訂にいたる経験と今後の課題について参加者と共有し,各国における同様の議論を活性化しうる情報を提供することができました。

(3) また,我が国は,条約遵守に関する議論を呼びかける作業文書(昨年12月の締約国会合で豪,加,ニュージーランド,スイス及び我が国が共同提出)に応える作業文書を提出した他,CBM提出を促進するための新たな方策を提案し,議論の活性化に貢献しました。

3.今後の予定

 今次会合の議論を踏まえ,12月(9日から13日)に締約国会合が開催される予定です。

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