ODAとは? ODA予算・実績

国別援助実績
1991年~1998年の実績
解説

 1.本書は、我が国の政府開発援助の実績と援助のあり方を地域別、国別にとりまとめたものである。
 2.年及び年度については、特に断りのない限り西暦1900年代である。
 3.実績は原則として98年度末までのものであるが、本文の記述については必要に応じその後の事情を追記している。
 4.地域別の説明には、その地域の政治・経済の状況、我が国政府開発援助の実績及びあり方等が記述されている。
 5.国別の欄は地域別五十音順に配列してある。また、国名は原則として「在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律」による。国別の説明には、その国の政治・経済の状況、我が国政府開発援助の実績とあり方等が記述されている。
 6.各国の「1.概説」の(参考1)として掲げている「主要経済指標等」のうち、人口及びGNPの値は世銀“World BankAtlas”、DSR及び対外債務残高(長期債務+IMFクレジット+短期債務)については、世銀“Global Development Finance”、経常収支、財政収支、消費者物価指数及び為替レートについてはIMF“InternationalFinancialStatistics”の可能な限り最新の値をそれぞれ参考にした。面積は国連統計年鑑第40集の値を参考にした。
 また、DAC及び国連による国別分類について、本書ではそれぞれ98年DAC議長報告及び第49回国連総会決議等を基に分類した。
 なお、国別分類の中の低所得国等の意味は次のとおりである。

〈DAC分類〉

低所得国 :LICs(Low-Income Countries)
95年1人当たりGNPが原則として765ドル以下の国・地域(71か国・地域)。後発開発途上国(LDC:国連分類による48か国)はこれに含まれる。
低中所得国 :LMICs(LowerMiddle-Income Countries)
95年1人当たりGNPが原則として766ドル超3,035ドル以下の国・地域(52か国・地域)。
高中所得国 :UMICs(Upper Middle-Income Counties)
95年1人当たりGNPが原則として3,036ドル超9,385ドル以下の国・地域(29か国・地域)。
高所得国 :HICs(High Income Counties)
95年1人当たりGNPが原則として9,386ドル超の国・地域(9か国・地域)。

〈国連分類〉

LLDC :Least among Less Developed Countries(後発開発途上国:但し最近の国連文書においてはLeast Developed Countries(LDC)と称するのが一般的)開発途上国の中でも特に開発の遅れた国々。91年12月、第46回国連総会において新たなLLDC認定基準が承認され、これに基づき、国連の開発計画委員会の作成した認定基準によって同委員会が評価した後、経済社会理事会における審議を経て国連総会の決議により認定されたLLDCは、97年9月現在48か国。
MSAC :Most Seriously Affected Countries(オイルショックにより最も深刻な影響を受けた国)

 7.各国の「1.概説」の(参考2)として掲げている「主要社会開発指標」は以下の資料を参考にした。なお、数値に「×」がついている場合は、データが指定の年次や期間以外のもの、標準的な定義によらないもの、あるいは国内の一部の地域のものであることを示す。
 (1)90年
  ・下位20%以下の所得又は消費割合、初等教育純就学率、女子生徒比率
  →世銀“世界開発報告”
  ・出生時の平均寿命、成人非識字率、乳児死亡率、5歳未満児死亡率、避妊法普及率、安全な水を享受しうる人口割合
  →UNICEF“世界子供白書”
  ・森林面積
  →世銀“World Bank Atlas”
 (2)最新年
  ・全ての指標
  →世銀“World Development Indicator”
 8.各国の経済協力実績のうち「d年度別・形態別実績」は、海外経済協力基金(OECF)による有償資金協力、外務省による無償資金協力及び国際協力事業団(JICA)による技術協力の実績であり、有償資金協力及び無償資金協力は交換公文ベースの、また技術協力はJICA経費実績ベースの金額を示す。
 9.同実績表の中の○内に掲げる数字は当該案件の評価を実施した年度を示しており、その評価の概要は外務省経済協力局作成「経済協力評価報告書」の翌々年度版に収録されている((7は、97年度に評価を実施し、99年度版報告書に収録されていることを表わす)。
 10.同実績表の技術協力の欄の中の「プロジェクト技協」はプロジェクト方式技術協力を、「協力隊派遣」は青年海外協力隊派遣を意味する。
 なお、「プロジェクト技協」及び「開発調査」についてはその年度中に実施されている案件数であり、数年度にわたる案件があるため、各年度の件数の単純合計と累計件数(各年度の新規案件の合計)は一般に一致しない。
 但し、年度別の「研修員受入れ」、「専門家派遣」、「調査団派遣」、「協力隊派遣」、「機材供与」はその年度に新たに受入れ・派遣・供与した人数・金額を集計したもので(従って年度を越えて翌年、翌々年にまたがって在日または外地に勤務した者は、来日または出発した年度に1回のみ集計して、翌年、翌々年には集計の対象となっていない)、累計はその合計となる。
 複数の国にわたって実施された調査などの経費については1954年度から国別区分不能として集計しているが、74年度から98年度までの実績については、調査団などの派遣国数で割った数値を国別に算出の上、集vした。
 11.プロジェクト所在図の中で、は有償資金協力、は無償資金協力、はプロジェクト方式技術協力をそれぞれ示す。また、無償資金協力については施設案件及び規模の大きい機材案件のみを示した。
 12.本書に置いて使用されている略語その他の意味を以下に示す。

ODA :Official Development Assistance(政府開発援助)
  (1)政府開発援助(ODA)とは、次の三つの要件を充たす資金の流れを指す。
   (1)政府ないし政府実施機関によって供与されるものであること。
   (2)開発途上国の経済開発や福祉の向上に寄与することを主たる目的としていること。
   (3)資金協力については、その供与条件が開発途上国にとって重い負担にならないようになっており、グラント・エレメント(G.E.)が25%以上であること。
  (2)ODAは無償資金協力、技術協力、国連諸機関・国際金融機関等への出資・拠出等(以上「贈与」及び政府貸付等で構成される)
OOF :Other Official Flows(その他の政府資金の流れ)
  (1)先進国から開発途上国への政府資金の流れでODAに含まれないもの。
  (2)輸出信用、直接投資、開発プロジェクトに対する輸銀等の資金援助等がこれに当たる。
PF :Private Flows(民間資金の流れ)
民間資金による輸出信用、直接投資等をさす。
グラント・エレメント
(G.E.)
:Grant Element
援助条件の緩やかさを表示するための指標である。商業条件(金利10%と仮定)の借款をG.E.=0%とし、条件(金利、返済期間、据置期間)が緩和されるに従ってG.E.の割合が高くなり、贈与の場合はG.E.が100%となる。
E/N :Exchangeof Notes(交換公文)
我が国政府と被援助国との間で協力の内容を取りきめる文書。
支出純額 :ネット・ディスバースメント、Net Disbursement
一定期間(通常は暦年)における供与額(グロス・ディスバースメント、Gross Disbursement)から、回収額(被援助国から援助供与国に対する貸付けの返済額)を差引いたもの。
DSR :Debt Service Ratio(債務返済比率)
対外債務の返済能力を示す指標の一つ。年間の総輸出額(サービス及び商品)に対する年間の対外債務返済額(元本償還及び金利支払い)の比率をいう。
パリ・クラブ :The Paris Club
フランス大蔵省国庫局主催の下に開催され、公的債務(ODA借款、公的輸出信用等)・付保民間債務の債務繰延べ交渉を目的として、特定国について債権国が集まり協議する会議。
DACリスト :DAC援助受取国・地域リスト
DACが定めた、援助実績統計の対象となる「援助対象国・地域」のリストでありパートI、パートII分類される(94年1月の改訂以前は「DAC途上国リスト」と総称)。パートIには、その国に対する実績が、国連における援助国のODAの対GNP比0.7%目標の対象となる国が掲載されている。一方、パートIIには、東欧・旧ソ連諸国の経済移行国及びより進んだ途上国が掲載されており、さらに、パートIの掲載国・地域のうちの高所得国(世銀分類)はパートIIに移行することとなる。
IMF8条国 :8条国とは、国際通貨基金(IMF)協定第8条で規定された義務を受け入れている国。第8条では、(1)経常取引における支払に対する制限の回避、(2)差別的通貨措置の回避、(3)他国保有の自国通貨残高の交換性維持、を規定している。

 13.本書においては、主要な国際機関等の名称は略称を用いている。各機関の正式名称等は次のとおりである。

ADB :Asian Development Bank(アジア開発銀行)
AfDB :African Development Bank(アフリカ開発銀行)
AfDF :African Development Fund(アフリカ開発基金)
CDB :Caribbean Development Bank(カリブ開発銀行)
DAC :Development Assistance Committee(開発援助委員会)
経済協力開発機構(OECD)の下部委員会で、援助供与国間の主として援助の量的拡大、質的向上についての意見調整の場である。61年に創設され、現在日本を含む先進21か国と欧州委員会が加盟している。加盟国の年間援助実績・政策の年次審査、援助統計の公表、援助量、援助条件に関する勧告の採択等を行っている。
EBRD :European Bank for Reconstruction and Development(欧州復興開発銀行)
東欧諸国の市場経済への移行を支援することを目的とする。
CEC :Commission of the European Communities(欧州委員会)
FAO :Foodand Agriculture Organization of the United Nations(国連食糧農業機関)
IBRD
(世銀)
:International Bank for Reconstruction and Development(国際復興開発銀行;通称、世界銀行(WorldBank)ともいう)
ICRC :Internatinal Committee of the RedCross(赤十字国際委員会)
戦争、内乱等における軍人および人民の犠牲者に対し、保護と援助を与えることを目的とする団体。
IDA :International DevelopmentA ssociation(国際開発協会、第二世銀ともいう)
IDB :Inter-American Development Bank(米州開発銀行)
IFAD :International Fund for Agricultural Development(国際農業開発基金)
ITTO :International Tropical Timber Organization(国際熱帯木材機関)
IMF :International MonetaryFund(国際通貨基金)
UNDRO :Office of the United Nations Disaster Relief Coordinator(国際災害救済調整官事務所)
UNDP :United NationsD evelopment Programme(国連開発計画)
UNEP :United Nations Environment Programme(国連環境計画)
UNFPA :UnitedN ations Population Fund(国連人口基金)
UNHCR :Office of the United Nations High Commissioner for Refugees(国連難民高等弁務官事務所)
UNICEF :United Nations(International) Children’s(Emergency) Fund(国連児童基金)
UNIDO :United Nations Industrial Development Organization(国連工業開発機関)
UNRWA :United Nations Relief and Works Agency for Palestine Refugeesinthe Near East(パレスチナ難民救済事業機関)
UNTA :United Nations Regular Program for Technical Assistance(国連通常技術支援計画)
国連による技術協力のための資金。
WFP :World Food Programme(世界食糧計画)
WHO :World Health Organization(世界保健機関)
WTO :World Trade Organization(世界貿易機関)

 14.ODAの分類



このページのトップへ戻る
目次へ戻る