青年海外協力隊事業は、1965年の発足以来、37年目を迎え、協力隊派遣取極締結国は総計77カ国(平成13年7月末現在)、事業発足時からの累計では2万2千名を超える協力隊員が派遣されています。
これまで同事業は、要請国及び受入機関・地方自治体より高い評価を得てきており、また途上国の社会開発分野における協力ニーズの増加・多様化に合わせていくために、要請件数や要請職種を対応させてきました。その一方で、日本国内の厳しい経済・財政事情を反映し、ODAに対する厳しい見方が存在します。もとより、同事業は青年の自発性に基づくボランティア事業ではありますが、ODAの一環である以上、より効果的な事業の実施が求められており、事業の成果を重視する傾向、及びその評価への重要性の認識が高まっております。
我が国外務省は、「今後、同事業をより効果的に実施するべく事業の課題を抽出するとともに、21世紀に求められる、より戦略的な事業展開に対する提言」を求めるために青年海外協力隊事業の評価調査を行うこととし、2001年10月より2002年3月までの期間において(株)アース アンド ヒューマン コーポレーションがこの調査を実施しました。
調査団は青年海外協力隊事業の変遷を整理するとともに、国際協力事業団 青年海外協力隊事務局および協力隊事業関係者との協議を行いました。また、バングラデシュ国とニジェール国の二カ国ではケース・スタディとして現地調査を実施し、帰国後の国内作業を経て、ここに本報告書完成の運びとなりました。
今後は、今回の評価調査結果を踏まえ我が国関係者並びに相手国関係者のそれぞれが事業の効率的推進に向けて具体的方針を示していくことが課題となります。本報告書がひとつの提案として外務省、国際協力事業団関係者のみならず、今後協力隊を目指そうとしている方々に広く利用されることを願う次第です。
なお、本報告書は「(株)アース アンド ヒューマン コーポレーション」の責任において作成されたものであり、必ずしも日本政府あるいは外務省の立場を反映するものではありません。
終わりに、本評価調査にご協力、ご支援いただいた関係者各位に対し、心より感謝を申し上げます。