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8.3 「国別援助計画」実施に当っての提言

「国別援助計画」の策定、実施に関しては、以下の4点につき提言しておきたい。

1) 援助戦略の体系化
援助戦略を体系化するとともに、具体的な目標を設定することが望ましい。「ニ」国SGPRSの開発目標体系図は図8-1に示したとおりであり、本体系図に即した援助計画を策定することが望ましい。援助重点分野の設定は、本体系図の政策目標レベルで設定し、従来の重点分野ごとにサブ・セクターを絞りこむことが望ましい。サブ・セクターの絞込みについては、他ドナーとの棲み分け、あるいは「ニ」国政府の予算配分、NGOの活動範囲などを考慮するとともに協調体制を構築し、援助の重複を避けなければならない。

2) モニタリング指標による評価システムの導入
上記体系図に即した目標、戦略を打ち立てるにあたり、具体的な目標数値と目標年を設定することが望ましい。例えば、「ニ」国GSPRSは各分野での具体的な目標数値を設定しているので、我が国としては特にGSRPSの何を上位目標とするか、どの指標をモニタリングしていくか、中・長期的視野を持った指標の設定と評価システム導入が求められよう。

3) 重点分野別モニタリング指標選定とベースライン調査
本調査では、試験的に重点分野別指標データを選定し、ベースライン調査を試みたが、多くの重要指標データが未整備で、限られた指標データしか入手できなかった。指標データの有無については以下の表に纏められる(ベースライン調査の結果については、添付資料参照)。

表8.3-1 ベースライン調査結果
  農業・
農村開発
保健・医療 教育 道路・交通
インフラ整備
民主化支援 防災
求めた指標データの数 29 16 26 22 18 15
存在する指標データの数 8 5 5 6 2 3

従って、今後はGSPRSで目標値として設定されている基礎指標データをモニタリング指標とすることが効果的であろう。GSPRSのモニタリング指標と目標値は、表8.3-2に示すとおりである。また、本調査では県ごとの指標データの収集が難しいことが判明しているので、採択された協力案件の調査実施を通じて県レベルでのデータ整備に協力するのも一案であろう。

表8.3-2 SGPRSのモニタリング指標と目標値(PDF)



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