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1.2 調査の方針と方法

本調査では、過去の我が国の対ニカラグァ援助を総合的かつ包括的に評価するものとし、マクロ的な視点からも可能な限り定量的に測定・分析・評価する方針とした。また、我が国ODAの円滑な実施に資するよう、「国別援助計画」の策定にあたっての留意事項の整理及び、援助戦略の体系化、モニタリングの手法、業績測定指標設定についての情報収集・分析を行い、提言を得ることとした。

調査における主な視点は以下の通りである。

1) 我が国の援助戦略・計画や実績が、ニカラグァ国の開発ニーズ、開発、社会・経済全体に与えたインパクト(マクロ経済的裨益効果を含む。ニカラグァの国家開発計画との連携及び自助努力にも留意する。)

2) 我が国の対ニカラグァODAの妥当性、他ドナー、国際機関との協調において我が国ODAが果たした役割や意義

3) 我が国とニカラグァ国との外交・貿易・経済協力関係分析

4) 重点分野別((1)社会開発・貧困対策、(2)社会・経済インフラ、(3)環境、(4)民主化・経済安定化支援)の効果分析

本調査では、国内で収集可能なデータ及び基礎資料をもとに国内事前調査を行った後、以下の方法を用いて現地調査及び国内での分析・評価を行った。

1) 聞き取り調査、資料収集、現地プロジェクト視察
ニカラグァ国援助受け入れ関係者、我が国援助関係者、他ドナー及び国際機関関係者に対して聞き取り調査及び資料収集を行った。また、ニカラグァ国の政治・経済及び外国援助に関する研究を行っているいくつかの研究機関からも意見を聴取し、調査の中立性を高めた。
現地プロジェクト視察では、代表的な一般プロジェクト無償5案件と草の根無償9案件を視察し、関係者及び裨益者への聞き取り調査を実施した。

2) 経済・社会開発指標データ収集
経済・社会指標データは、現地調査において収集した他、短期間では不可能な詳細指標データ収集をローカルコンサルタントに委託し、現状把握のためのベースライン調査を行った。

3) 援助のマクロ経済へのインパクト分析
経済指標データを使ってマクロ経済に与えた援助のインパクト測定を試みた。グランジャー因果テストという手法を用いてODAとマクロ経済の相関関係を検証した後、回帰分析を用いてセクター別のインパクト分析を行った。

4) 有識者等個別質問票調査
ニカラグァの市民組織代表として国民諮問機関的役割をもつCONPES(国家経済社会企画審議会)を通して、CONPESメンバー及び有識者に対して我が国援助に対する意識調査を行った(100サンプル)。また、被援助国関係者にも一部対面式インタビューで実施した(11サンプル)。全体を通して得られた回答は3割で、これを集計し、我が国援助に対するニカラグァ国民の評価を分析した。

5) 受益者インタビュー調査
視察を行った無償資金協力案件のうち、任意の3案件の受益者を対象に調査を実施した。対象プロジェクト及びインタビュー対象者・サンプル数は以下の表に示す通りである。

対象プロジェクト名 インタビュー対象者 サンプル数
初等教育学校建設(3県各1小学校) ・教師
・生徒
・PTA
25
36
14
グラナダ病院建設 ・医療従事者(医師・看護婦・病院関係者等)
・患者
10
40
カラソ台地地下水開発計画(3市) ・水道利用者 60


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