1-4. 国内調査
(1) 評価グリッドの作成
評価の枠組みを設定するために評価グリットを作成した(次頁添付)。今回評価調査ではマルチ・バイ協力についての「理論」、「プロセス」、および「効果」の観点から客観的に評価分析を行う。
(2) マルチ・バイ協力の実績整理
UNICEF連携およびUNFPA連携で実施されたマルチ・バイ協力の実績を国別に整理し、把握した。
(3) ヒアリング調査の実施
日本政府外務省、UNICEF駐日事務所、UNFPA東京事務所、JICA職員および日本人専門家を対象にヒアリングを実施し、我が国とUNICEF/UNFPAとの連携状況、マルチ・バイ協力の経緯、およびマルチ・バイ協力の利点・効果・問題点などを抽出した。
技術協力事業におけるマルチ・バイ協力評価 評価グリッド(PDF)
(1) 調査対象国の選定
本件調査では、マルチ・バイ協力の実施国からアジア地域とアフリカ地域から、各数ヵ国程度を選定し、現地調査を行った。選定基準は以下に示すとおり。
■ 選定基準
(1) 過去にマルチ・バイ協力が実施されており、その額が比較的高い。 (2) UNICEFとUNFPAの両者の援助が実施されている。 (3) 現地調査の時間的制約から、各地域において比較的スムーズに移動および調査が行える。 |
上表の選定基準に地域性を考慮し、現地調査対象国を表 1-1のとおりとした。
アジア地域 | アフリカ地域 | |
調査実施国 | ラオス ヴィエトナム カンボジア |
タンザニア ザンビア |
(2) 視察・ヒアリング先の決定
現地調査におけるヒアリング先は、マルチ・バイ協力関係者である在外公館、JICA現地事務所、保健省マルチ・バイ協力担当職員、UNICEF本部、UNFPA本部、WHO/WPRO事務局、UNICEF現地事務所、WHO現地事務所(WPRO管内のみ)およびUNFPA現地事務所がその対象先となる。また、JICAプロジェクトの医療専門家や実際の配布先となっている地方レベルの医療実施機関(ヘルスセンター、診療所等)の関係者についてもヒアリングの対象とする。
現地視察先については、これまでのマルチ・バイ協力実績やヒアリング結果、報告書等から選定した。また、現地調査の時間的制約、アクセス手段、および治安についても考慮をした。
(3) 調査日程
調査団は、アジア地域とアフリカ地域の2チームに分かれて現地調査を行い、限られた期間でできる限り多くの関係機関訪問と現場視察ができるよう考慮した。
各調査日程は付属資料に添付した。
マルチ・バイ協力の全実施国についてアンケート調査を行った(平均有効回答率56%)。アンケートの設問内容は、評価グリッドの調査細目に従い設定した。アンケートの配布先機関は以下のとおり。
(1) 現地調査(ケーススタディ)結果に対する分析
ケーススタディを実施した5ヵ国およびUNICEF本部・UNFPA本部に対するインタビュー結果を基に分析・評価を行った。また、現地調査結果は各国別に付属資料として添付する。
(2) 評価分析
国内における既存資料の分析結果、インタビュー調査結果および現地調査結果から、マルチ・バイ協力に対する評価分析を行った。
(3) 提言・教訓の導出
マルチ・バイ協力の成果および抽出された課題などから、UNICEF/UNFPAの両国連機関との連携によるマルチ・バイ協力が今後より効果的かつ効率的に進められていくための提言・教訓を導き出した。