1-1.調査実施の背景
我が国は「技術協力事業におけるマルチ・バイ協力」として、国連児童基金(以下、UNICEF)および国連人口基金(以下、UNFPA)と連携・協力の上、開発途上国の保健医療および人口・家族計画の状況改善と向上、並びにこれらの分野における自立を目的として、感染症予防ワクチン、コールド・チェーン機材、避妊具・避妊薬、簡易医療機材等の供与を通じ、開発途上国に対する支援を実施してきている。
これまで、UNICEFとの連携は14年間に亘り延べ41ヵ国、UNFPAとの連携は8年間に亘り延べ19ヵ国に対し協力を実施してきた。しかしながら、マルチ・バイ協力についてのプログラムとしての総合的評価はこれまで行われていなかった。このため、被援助国からは、多くの謝辞が表明されながらも、客観的に本件協力が実際にどれだけのインパクトを与え、またどれだけの効果をあげているのか、ドナーとして十分に把握出来ていないのが現状である。