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セネガル ダンテック病院医療機材整備計画


(1998年5月、ファルバ=ラシーヌ・サル(独立コンサルタント))


〈プロジェクト概要〉
 援助形態  無償資金協力
 協力年度  1992年度
 協力金額  6.00億円
 相手国実施機関  保健衛生省
 協力の内容  セネガルにおける保健衛生機構の再頂点にあるダンテック病院の一般外科、小児外科、整形外科、心臓外科及び麻酔・集中治療科の医療機器整備により治療環境を向上し安全性を確保する。


〈評価要旨〉

1 効率性

 機器の各科への配置はおおむね計画通り行われ、各科にて活用されている。

2 目標達成度

 同病院における外科治療のニーズをほぼ充足しており、移植外科を除いて、患者の治療がおおむね適正に、かつ早急に履行されていることから、目標は達成できていると考えられる。

3 インパクト

 利用者の負担額が低廉化して、従来少数の特権階級に限られていた医療給付が誰にでも利用できるものに広まったことから、社会的利益は大きい。

 また、各科における具体的なインパクトの例をあげると、

(1) 一般外科では、手術室が4室から8室に増加し手術数も増え、集中治療班でも麻酔検査期間の短縮化により患者のローテーションが早くなり、また、入院期間も短縮化された。

(2) ガン研究所では、医療活動が殆ど無に等しかったところがら、手術による治療範囲も広げながら、1996年には、診断、検査、治療、手術を4,000件以上行っている。

(3) 小児外科では、以前は週2日のみ手術を行っていたが、現在は週5日に増えた。

 など、各科よりポジティブなインパクトが報告されている。

4 妥当性

 供与機器の使用者である外科医師たちは全員外国での研修経験を有しており、供与した機器は技術的には妥当であるといえる。

5 自立発展性

 供与された機材は一部を除き、良好に使用され、故障器材は保守・管理部門により維持管理されている。また、病院予算の10%が保守・管理に充てられていることや、科によっては機器の減価の償却表を作成するなど徹底した管理も行っている。供与機器の品質は、今後とも適切な保守・管理が確保されれば、この先数年も良好な機能を維持できるであろう。しかしながら、一部の機器のスペアパーツは高価であるとともに、同国では入手が困難であることに加え、当初供与された在庫分も底をつき始めていることが懸念される。

6 今後必要とされるフォローアップ

 同病院入手困難な交換部品の補充が必要である。
(1998年度にフォローアップ調査を行い、現在資機材購送手続き中)


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