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マレーシア 漁業訓練所近代化計画


(1998年2月、在マレーシア大使館)


〈プロジェクト概要〉
 援助形態  無償資金協力
 協力年度  1990年度
 協力金額  9.44億円
 相手国実施機関  農業省水産局
 協力の内容  マレーシアの沖合漁業と養殖における漁民の技術を向上させるとともに、政府水産局の技術サービスを改善させるため、日本の無償資金協力により、漁業訓練施設の建設、機材の整備及び訓練船の建造を行う。


〈評価要旨〉

1 目標の達成度

 漁業訓練所は、沖合漁業、沿岸漁業、加工、企業家育成、職員訓練を始めとした計8部門で構成されており、これまでの訓練者数は、1992年の完成から97年までで、漁民が1,433名、政府職員が1,544名にも上っている。

2 インパクト

 漁民の技術が向上することにより、漁獲の拡大と付加価値の増大が実現しており、漁民の所得の向上に貢献している。また、訓練所は、マレーシアの漁業の近代化に寄与しており、未開発の漁業資源の活用とや物性蛋白質の供給を可能にしている。

3 妥当性

 マレーシア政府は、長期的目標として、沖合漁業と養殖業の振興に重点をおいているので、このプロジェクトは、マレーシア政府の優先事項に合致している。また、訓練所を建設したチェンダリングは、東海岸で最大の漁港であり、インフラ整備が完備されているほか、水産局専用の係船岸壁も設置されており、サイトの選択は適切であった。

4 自立発展性

 機材は十分に活用されており、管理状況も良好である。過去に軽度の故障も発生しているが、いずれも国内における修理で回復している。運営予算については、政府より安定的に配分されている。

5 今後必要とされるフォローアップ

 最近、漁民の訓練生が減少傾向であり、過去の訓練漁民又は企業に対しその原因を探るための調査を行っている。こうした問題の解決のため、日本からの人的交流を通じたアフターケアが実施されることが望ましいと思われる。


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