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第2章 特定テーマ評価
教育・人材開発(インドネシア)


(現地調査期間:1997年11月9日~23日)

■牟田 博光 東京工業大学教授

■浜野 隆   東京工業大学助手

■斉藤 英介 東京工業大学リサーチアシスタント

■中畝 義明 世界経営協議会研究調査部長


インドネシア地図


〈評価対象プロジェクトの概要〉
案件名 協力形態 協力期間、金額 案件概要

バンドン工科大学整備事業

有償資金協力 第1期1992年度
16.09億円
 
第2期1994年度
73.53億円
 インドネシア屈指の技術系国立大学であるバンドン工科大学の教育研究棟の建設・教育研究設備などのハード面の整備、および教官の海外留学・プログラム改善等ソフト面の強化により、同大学の質的・量的整備拡充を行い、経済発展に寄与する。
 1期:教育研究棟の建設、教育資機材整備、コンサルティング・サービス等
 2期:教育研究棟の建設、教育・研究用機材の調達、留学生派遣等
貿易研修センター設立計画
 


貿易研究センター
無償資金協力




プロジェクト方式技術協力
1987年度
20.24億円

 1988年9月2日~93年9月1日
 1994年1月31日~95年9月30日
  フォローアップ

 1997年3月1日~01年2月28日

 (新規、貿易セクター人材育成計画)
 石油等に依存する貿易構造から脱却、非石油・ガス製品の輸出促進をはかるため貿易研修センター設立へ協力。貿易研修、商業日本語、輸出検査・品質管理研修コース、展示研修の4分野を実施。
 フォローアップ協力は貿易研修、展示研修、商業日本語の3分野で実施

電子工学ポリテクニック建設設計
 



スラバヤ電子工学ポリテクニック


無償資金協力




プロジェクト方式技術協力


1986年度 18.95億円




1987年4月1日~92年3月31日
1992年4月1日~94年3月31日
フォローアップ

 電子・通信工学分野におけるHigher Technician(企業内で大学卒のエンジニアの補佐能力、企業の自営能力、開発プロジェクトの企画・進行`実施能力、職業訓練機関の教員としての能力、を持つ技術者もしくは技能者)を育成し産業界に供給する。
  • 建物、実験機材の供与
  • 日本人専門家派遣とカリキュラム開発および学校運営援助
  • インドネシア側教員の日本研修
高等教育機械開発計画
 


高等教育開発計画
無償資金協力




プロジェクト方式技術協力
1990年度6.0億円
1991年度8.6億円




1990年4月12日~96年7月31日
1996年8月1日~99年7月31日
 スマトラ、カリマンタン島の11大学の工学教育のための機材供与
 スマトラ、カリマンタン島地区の大学工学部教育の教育水準向上を目的とする。日米共同事業であり、米国側が基礎科学、経営学部を支援、日本が工学部を支援。
  • 教員の資格・資質の向上、管理運営の改善、カリキュラム・機材・実習用資機材・教授法の改善等
  • 地方の大学教員の水準向上のための国内留学(OECF事業と連携)
中学校校舎整備事業 有償資金協力 1995年度
208.8億円
 インドネシアは義務教育の質的・量的拡大を国家目標とし、1994年に義務教育期間を9年間に延長した。本プロジェクトは、中学校の就学率向上に伴う中学校校舎不足に対応するため、99年3月までに12州に606校を建設する。


はじめに


 1990年は国際識字年に定められ、世界に多数存在している非識字者に焦点が当てられた。同年タイのジョムティエンにおいてUNESCO、UNICEF、UNDP、世界銀行が共催で「万人のための世界教育会議」を開き、2000年までに非識字水準を半分にすることを宣言した。この会議により改めて世界に対して、人間の基本的なニーズである基礎教育に対してアクセスできない人々が存在していること、また国際社会はそうした人々が直面している困難を除去する必要性があることがアピールされた。

 1992年にはOECDのDAC(開発援助委員会)が主催して「基礎教育に関する援助国会合」が開催され、教育協力援助拡大の目標値として1970年代のDAC諸国の平均教育協力援助比率である16~17%を回復することが論議された。国際的に教育協力援助の重要性が認識され、各援助国・援助機関は教育協力援助重視の姿勢を強めている。

 このように国際的な教育協力ニーズが高まるなか、日本としても、協力対象地域の拡大と基礎教育分野への領域の拡大が求められている。


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