(1997年3月 農牧省ロナルド・ディクセ企画総局長、同、ホルヘ・オガサワラ企画総局農牧技術顧問)
援助形態 | プロジェクト方式技術協力 |
協力年度 | 1990年3月~1995年2月 |
協力金額 | 9.47億円 |
相手国実施機関 | 農牧省センサス統計局 |
協力の内容 | 農牧業センサスの実施に関する技術指導及び年次標本調査(生産統計)に関する基礎的調査体系の確立とその実施体制の整備 |
〈評価要旨〉
1. 案件の維持・管理状況
予算は十分ではないが継続的に確保されており、協力期間終了後も農牧業統計事業は毎年計画的に実施されている。調査結果は定期的に関係機関に配布されるとともに、統計年報に掲載されている。カウンターパートの定着率は高く、カウンターパートにより調査に関するセミナーが実施されている。供与機材は良好に活用されている。
2. 案件の選定・形成の適正度
政策策定上のニーズ全てを満たしているわけではないが、協力期間終了後も信頼性の高い数多くの統計データが迅速に公表されている。また、統計データは農牧普及組織や研究機関で活用されるばかりでなく、国民経済その他経済データ作成にも活用されている。このような協力期間終了後の状況により、プロジェクトの選定・形成は適正であったと考えられる。
3. 当初目的の達成度及び効果
本件プロジェクトの実施により、調査手法やデータ処理・管理能力が改善され、信頼性の高い基礎統計資料を迅速に提供できるようになった。農牧業センサス及び標本統計調査の結果は、輸出農産品目の多様化、小農対策、水資源の有効利用、新入植地の開発、畜産振興、農畜産物流通改善等、農牧業部門の政策・施策策定のための有益な基礎資料として活用されている。
4. 今後必要とされるフォローアップないしはアフターケア
メルコスール(南米共同市場)加盟という新しい展開の中で、農牧業政策の立案・実施に一層的確に基礎資料を提供できるようになるためには、本件プロジェクトを基礎に、統計資料の総合的分析・活用(総合的データベース化、ネットワーク化等)のためのシステム整備と人材養成を内容とする更なる技術協力が必要である。
5.将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項
被援助国としては、供与機材の維持管理のための予算措置をとることが必要である。また、中核となる人材の養成は、プロジェクトの成果の定着、自立発展のために重要である。