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タンザニア ダルエスサラーム電話網改修計画

(1997年3月 タンザニア通信委員会キラバ技師)


<プロジェクト概要>

援助形態  無償資金協力
協力年度  1989年度、1990年度
協力金額  (第1期)6.10億円、(第2期)4.94億円
相手国実施機関  タンザニア郵電公社
 (現在タンザニア電話公社(TTCL))
協力の内容 ダルエスサラーム市の電気通信事情改善のために、加入者線路の更新、交換機の更新、中継線の敷設等、電気通信設備を建設


<評価要旨>

1.案件の維持・管理状況

 本プロジェクトにおいて導入された機材は常に使用状態にあり、一部、スペアパーツが入手できないことにより正常に作動しない機器もあるが、全体的には正常に維持管理されている。

 また、設備の保守管理技術を指導するため、現在、日本からTTCLに専門家1名が派遣されている。

2.案件の選定・形成の適正度

 本プロジェクトは、工業生産性の向上、通信インフラの近代化等に重点をおいた「タ」の経済復興計画にも合致し、さらに首都ダルエスサラームは、「タ」の政治経済活動の中心であるにも拘わらず、設備の老朽化により、その電話事情は質量両面において極めて貧弱な状態であったことから、本プロジェクトの選定は適正であった。

3.当初目的の達成度及び効果

 障害発生件数の減少、障害回復時間の短縮、保守管理経費の減少等、プロジェクトの実施により、相当の成果が挙がっている。中でも、ダルエスサラーム中央局における障害発生件数は、月平均で223件→10件と、著しい改善を見せた。

また、通信ネットワークの改善により、迅速、円滑な情報の伝達、火事等の災害時の緊急電話等が可能となり、公共の福祉にも大きく貢献している。

4.今後必要とされるフォローアップないしアフターケア

 将来、プロジェクトが自立発展していくためには、TTCLは、保守管理スタッフの定期的訓練、スペアパーツの供給体制の確立、情報の整備が必要である。

また、本プロジェクトの対象外であった他の地区へ、改修事業を拡大することが望まれる。

5.将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項

 本プロジェクトでは、スペアパーツとして計画時に想定されていなかった部分が壊れるという事態が発生しており、事前のパーツの適切な選定が困難であれば、事後における迅速なパーツの供給について考慮することが必要である。

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