(1997年3月 対外貿易経済合作部 金柏松 国際貿易研究所研究員)
援助形態 | 有償資金協力 |
協力年度 | 1979年度、1984年度、1985年度、1986年度、1987年度 |
協力金額 | 33.20億円、101.92億円、268.22億円、244.91億円、87.89億円 |
相手国実施機関 | 鉄道部 |
協力の内容 | 北京と広州を結ぶ京広鉄道の輸送能力を向上させるため、円借款により、単線のままとなっている衡陽・広州間を複線化するとともに、トンネルの多い一部区間を電化する。 |
〈評価要旨〉
1. プロジェクト目標の達成度
衡陽・広州間の複線化の結果として、貨物輸送は、1995年で2,216万トンとなっており、1988年に比べて2倍近くに増加した。旅客輸送についても、1995年で756万人で、1988年の3倍以上まで増えている。
2. プロジェクトのインパクト
複線化により、輸送効率の向上、運転時間の短縮、交通事故の減少などの効果があるほか、広東・華南と内地との経済往来にも大きく貢献した。また、中国で最長の二軌道電化鉄道トンネルとなった大瑶山トンネルの建設を通じ、中国のトンネル建設水準が大きく向上した。
3. 計画の妥当性
北京と広州を結ぶ京広鉄道は、南北鉄道輸送の大動脈であるにもかかわらず、衡陽・広州間の鉄道は単線であったため、貨物および旅客需要を満たすことができず、南北間の経済交流の進展が制限されていた。複線化の輸送能力の増大に対応して、実際の輸送量も大幅に増えているので、プロジェクトの必要性は大きかったと言える。
4. 自立発展性
衡陽・広州間の鉄道は、広州鉄道管理局の下、長沙分局、広州分局により、適切に運営・管理が行われていた。