(1996年10月 財政経済院イー・ジェウク氏による評価)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1988年度 |
協力金額 | 41.59億円 |
相手国実施機関 | 清州市、済州市 |
協力の内容 | 清州市と済州市において、地下水などの水質悪化を防止し、都市生活環境を改善するため、円借款により、下水処理場を建設する。 |
〈評価要旨〉
1. プロジェクト目標の達成度
建設された下水処理場の1日当たりの処理能力は、清州市が15万トン、済州市が6万トンとなっており、2つの市の下水処理率は、それぞれ約80%となった。
2. プロジェクトの効率性
清州市の場合、下水処理の際に発生するスラッジについては、乾燥機によって減量してから、地下に埋める作業を行っているが、焼却機を建設しておけば、スラッジの処理はもっと容易であったと思われる。
済州市の場合は、新設する中継ポンプの1つを、当初は住居密集地域内の公園地区に建設する予定であったが、地域住民の反対により計画を変更し、共有水面を埋め立ててポンプ場を建設したため、工事の終了が2年遅れた。
3. プロジェクトのインパクト
下水処理後の放流水の水質は、水質環境保全法に規定されている基準値を下回っており、生活下水による河川や海洋の汚染を防止している。なお、下水処理場の見学や、その他の広報活動を通じ、市民が水質汚染防止の意識を持つようになった。
4. 計画の妥当性
計画時に、将来の人口増加にともなう下水量増加を予期し、下水処理能力の拡充を見越して、必要な敷地を確保していたことは評価できる。現在、国内の財源で、下水処理場の拡充のため、第2期工事を行っている。
5. 自立発展性
建設された下水処理場は、清州市の場合は、環境事務所の80名により、済州市の場合は、水質環境事務所の54名により、良好に運営・管理が行われている。