(1997年2月及び3月、在パプアニューギニア大使館)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1986年度 |
協力金額 | 5.24億円 |
相手国実施機関 | 保健省 |
協力の内容 | 地域の核となる病院の整備に必要な医療機材を供与。 |
〈評価要旨〉
1 案件の維持・管理状況
機材供与後既に10年以上経ち、大部分の機材が使用不能または行方不明になっている。特にラエの病院では機材供与後の1991、92年に日本の援助により新しい病棟ができたことに伴い、機材の移動を大規模に行ったようで、その時に当時使用不能であった機材の大部分は行方不明になったようである。他方、マダンの病院では、使用不能のものも含め供与機材は良く保管されている。
2 案件の選定・形成の適正度
両病院共に地域の基幹病院であり、その役割を果たすべく機材を供与したことは正に当を得たものであると判断される。
3 当初目的の達成度及び効果
機材供与によってかなりの効果を挙げたものと思われる。供与された機材によって新しい技術等が導入され、保健・医療の向上、地域医療体制の強化が出来たと判断される。
4 環境への影響/WID(開発における女性)への配慮
当プロジェクトでは環境への影響は無いと判断される。
当プロジェクトが実施された当時はWIDへの配慮という概念が無く、全く考慮されなかったものと思われるが、プロジェクトの特性から女性が関連する部分が多く、開発に女性を参加させるという点においては十分な結果が得られたことと思われる。
5 今後必要とされるフォローアップないしアフターケア
消耗部品不足が原因で使用不可能な機材があり、バッテリーやインク等消耗機材については何らかのフォローアップが必要と思われる。また、機材が電子化されているため当国では修理が不可能(部品・技術がない)な機材については、1~2年ごとに巡回等で修理・技術指導などアフターケアできれば、供与機材をより活用できると思われる。
6 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項
当国のような開発途上国では、電圧の変動が激しく停電も頻発するため、高度に電子化された機材は故障しやすい。また、故障すると、部品もなく技術者もいないため修理できない。したがって、多少精度が落ちることになっても耐久性のある機材を選定することが望ましい。