(1997年2月、在フィジー大使館)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1991年度、1992年度 |
協力金額 |
第1期 5.43億円 第2期 5.10億円 |
相手国実施機関 | 教育・青年・スポーツ・文化省 |
協力の内容 |
1 エウア地区高校施設建設、教育住宅建設及び教育資材供与。 2 ババウ高校施設増築、スポーツ・グラウンド施設整備、教員住宅建設及び教育資材供与。 |
〈評価概要〉
1 案件の維持・管理状況
施設・機材は、供与後約3年半の現時点では比較的良好なコンディションにあり、全般に良く活用されている。しかし、遅かれ早かれ、供与施設・機材の老朽化がはじまることを考えれば、教育省が適切な維持管理のための予算措置及び対策を講じていく必要があると思われる。
2 案件の選定・形成の適正度
本計画は、トンガ政府の第6次5ヵ年計画の教育開発計画案中の必要不可欠なプロジェクトとして位置づけられ我が国に対し要請されたものであり、トンガにおける離島・地方の開発及び経済振興実現のため、その基礎となる人材育成の場としての中等教育の向上の必要性を鑑みれば、本プロジェクトの選定は妥当であったと考えられる。但し、施設設計の一部に気候条件に十分適応していないところが見られ、供与機材の一部に規格仕様やレベルが適合していないものが見られる。
3 当初目的の達成度及び効果
本件協力によって、協力実施後の両校生徒の着実な学力向上(6年次進級資格試験及び大学進学資格試験の合格者数の増加及び合格率の上昇)が見られる。当初目的である離島における教育環境の整備を通して、両校における学力の向上が実現されたものと考えられよう。
4 環境への影響/WID(開発における女性)への配慮
本プログラムでは、家庭科教室の建設及び同教科用資機材の供与という形でWIDにも配慮がなされて、女子生徒及び女性教員からも高い評価を受けている。
5 今後必要とされるフォローアップないしアフターケア
エウア地区高校の講堂施設の補修(風雨の吹き込み対策)、エウア地区高校及びババウ高校の教員住宅の壁の防水処置(雨水の浸透対策)、エウア地区高校及びババウ高校の特殊科教育用機材の補修(現地での対応困難なもの)。
6 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項
供与施設については、現地の環境に適合した設計・建設を行うべきである。