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ブラジル タペロア試験造林事業

(1997年3月、在ブラジル日本国大使館)


<プロジェクト概要>

援助形態  JICA開発投融資
協力金額  2.85億円
相手国実施機関  BRASESSENCIA TAKASAGO LTDA. (貸付先:高砂香料工業株式会社)
協力の内容 ブラジル連邦共和国バイア州タペロア市において、香辛料である桂皮(パーク)及び桂皮油(オイル)を生産するために、トンキンニッケイ等を試験栽培し、同地域に適した造林技術を開発し、約3,000ヘクタールのニッケイ類造林地を自営するとともに近隣の農家と7,000ヘクタールの契約栽培を行うことを目標として計画された事業に対する資金貸付。


(評価要旨)

1 案件の維持・管理状況

 事業地は現地法人により概ね良好に維持・管理されている。JICA開発投融資を受けての試験性の高い事業であることから当初計画の変更を余儀なくされた部分も多いが、現地の気候、地形、土壌に適合した形で、各種有用作物の植栽を行う多様性の高い事業へと前向きに変更され、何とか採算点を越えるレベルに達している。

2 案件の選定・形成の適正度

 案件の選定については、当時のブラジル国内の農業環境を勘案すると、概ね適正であった。但し、試験性の高い事業であったことから、事業開始後の試行錯誤を経て、トンキンニッケイのモノカルチャーという当初計画は、各種有用作物の適正植栽へと変更された。

3 当初目的の達成度及び効果

 達成度は、試験段階を一歩脱却した現状にあるが、カシアパークの地方出荷も始まり、今後の進展が期待される。

4 環境への影響/WID(開発における女性)への影響

 当初計画より保存林が残され、環境への影響は軽減されている。

 WIDについては、現在は特に影響を及ぼしていないが、将来、当該事業が進展すれば、収穫、精油蒸留用原料粗加工作業等に雇用されることにより周辺に居住する女性の現金収入源となることが期待される。

5 今後必要とされるフォローアップないしアフターケア

 事業成果を周辺に普及させるために必要な科学的データの蓄積と環境管理計画の策定が望まれる。

6 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項

 森林伐採やと土地の形状変更を含むプロジェクトについては、計画策定時に法的には相手国、我が国いずれの国においても環境アセスメントの対象となっていない場合であっても、援助する我が国としてはアセスメントを実施することが望ましい。

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