(1997年3月 在パラグアイ大使館)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1985年度 |
協力金額 | 3.4億円 |
相手国実施機関 | アスンシオン大学獣医学部 |
協力の内容 | 当時実施中であった家畜繁殖研究協力(プロ技)の実施を支援するため、人工授精の研究・実習に必要な施設・機材を供与 |
〈評価要旨〉
1. 案件の維持・管理状況
供与施設・機材は、概ね良好に維持管理され、大学の授業、研究に十分活用されている。但し、液体窒素製造機は予算上の制約等により、実験用浄水製造機については機材規模が研究規模に対し大きすぎるとの理由で、現在使用されていない。また、第概の予算上の制約もあり、人工授精技術の一般への普及は、現在、プロ技実施機関の一つであった農牧省人工授精センターにより行われているが、これは、大学は畜産研究・教育機関として、人工授精センターは技術普及機関として、それぞれ本件プロジェクトとプロ技による成果を活かしていくという現実的な自立発展の方向を示しているとも考えられる。
2. 案件の選定・形成の適正度
当時実施中であったプロ技「家畜繁殖改善」の実施を支援するための本件プロジェクトの実施は、発想、要請及び状況分析の点で優れており、時期を得ていたと言える。
他方、供与機材の中には、研究規模に対し大型であるため使用されていないものもある。
3. 当初目的の達成度及び効果
本件プロジェクト及びプロ技(「家畜繁殖」)により、特に人工授精に関わる研究・実習に必要な基本的施設・機材が整備され、人工授精の新技術の移転及び研究開発・普及に必要な人材養成が行われ、人工授精農家や家畜開発研究関係者の間に従来の方式より効率のよい新方式が定着したと見られる。このことから、本件プロジェクトは、研究基盤の整備及び畜産技術改善という目標をほぼ達成していると評価できる。他方、新技術の導入による畜産業全体への効果(生産性向上等)が現れるまでには、まだ相当の時間を要すると考えられる。
4. 今後必要とされるフォローアップないしはアフターケア
農牧省に派遣されている我が国専門家を通じ、関係機関の連携及び機能分担の明確化を図ることが適当と考えられる。