(1997年4月、在ニカラグア大)
援助形態 | 草の根無償資金協力 |
協力年度 | 1992年12月3日 |
協力金額 | 約445万円 |
相手国実施機関 | プエルト・カベサス市 |
協力の内容 | 市のゴミ収集能力の向上とそれによる衛生環境改善を支援するためゴミ収集用トラックを供与 |
(評価要旨)
1 案件の維持・管理状況
平成5年1月から1日3回(年中無休)で供与車両によるゴミ収集作業を実施したが、最終的に車両は同8年11月に故障し、平成9年4月現在市役所の修理工場内に未修理で駐車されている。市の劣悪な道路状況やゴミ収集以外の作業にも使用せざるを得なかった事情は理解しうるが、市側としては、減価償却分を積み立てる等の措置をとっておくべきであったと考えられる。なお市側は、市長交代の際の市財政引継ぎに手間どり車両修理が遅れているが、予算措置をとり早急に修理すると述べている。
2 案件の選定・形成の適正度
ゴミ収集車の供与という案件の方向性は適正であった。他方ゴミ収集能力とゴミ生産量を比較検討し、既存のゴミ収集車両と合わせれば市のゴミを十分に収集できるような案件の形成が行われなかったのは残念である。
3 当初目的の達成度及び効果
供与車両の導入により1日当り12トンの追加収集が可能となり、市のゴミ収集能力は、本件供与以前の市のゴミ総量の30%から60%まで引き上げられた。
4 環境への影響/WID(開発における女性)への配慮
ゴミ収集機能が倍増により、市の衛生環境が改善された。これに伴い、家庭の衛生条件も改良され、家事を担当する多くの女性の負担軽減と、家庭内の家事労働環境の向上という効果を生んだ。
5 今後必要とされるフォローアップないしアフターケア
市の企画能力が未熟なために、機材供与案件の形成、実施において問題を生みやすいことをプエルト・カベサス市側も認識し、都市計画機能力向上のための青年海外協力隊員の派遣を要望している。
6 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項
機材供与案件において相手国実施機関の管理能力が未熟な場合には、技術協力との連携(JICA専門家、JOCV等)に配慮すべきである。