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モーリタニア 沿岸漁業振興計画

(1997年2月 在セネガル大使館)


<プロジェクト概要>

援助形態  無償資金協力
協力年度  1991年度
協力金額  3.58億円
相手国実施機関  漁業省零細漁業局
協力の内容 沿岸零細漁民の生産性向上、収入の増加等を目的として、FRP漁船、船外機、漁網、給水車、給水船、車両等を供与。


<評価要旨>

1.案件の維持・管理状況

 漁業省から定期的に指導員が巡回して指導した結果、漁船、船外機の簡単な修理については漁民自身で修理が可能となり、難しい修理や公館部品が必要な場合は、修理機材施設に連絡をするなど、維持・管理状況は良好である。

交換部品については、メーカーの現地代理店を通じ、商業ベースで適宜輸入されている。

2.案件の選定・形成の適正度

 供与機材は沿岸漁民が使いこなせる水準のものであり、また沿岸漁民の漁法にも合致しており、プロジェクトの形成は適正であった。

3.当初目的の達成度及び効果

 漁民の生産性向上、収入増加、雇用創出という当初の目的はほぼ達成されている。特に、ニベ漁については、船足の早いFRP漁船及び船外機を供与したことにより囲い込み漁法が確立したと言え、生産性の向上につながっている。

4.WID(途上国の女性支援)への配慮

 漁村では、女性は魚の塩漬け、日干し等の加工を担当しており、漁業生産性の向上に伴い、村落での生産活動に女性が参加する割合が増加している。また、給水船、給水車の供与により真水の入手が容易になり、家事の負担が軽減された。

 さらに、生活に少し余裕の出来た女性達が、共同でアラビア語の読み書きと簡単な計算の学習、刺繍、織物等の活動を行うようになった村も見られる。

5.今後必要とされるフォローアップないしアフターケア

 本プロジェクトにより、生産性の向上は図られたが、本件プロジェクト・サイトが大きな市場から遠く離れている上、交通路が限られているため、今後、流通経路の確保が問題となり得る。

6.将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項

 JICA水産専門家のフォローアップ・先方漁業省への助言、供与機材が漁民にとって使用可能な水準であったことが、本プロジェクトが適正に実施された原因である。

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