(1997年3月 在ザンビア大使館)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1992年度 |
協力金額 | 4.00億円 |
相手国実施機関 | 農業省、小規模農家肥料回転基金(AFFRFM) |
協力の内容 | 農業生産性の向上のため、肥料、農薬等を供与 |
<評価要旨>
1.案件の維持・管理状況
小規模農家は、「クラブ」と呼ばれる経営共同体を結成し、この組織を通じ種子・肥料・農薬購入、作物の収穫・販売を行っている。肥料購入時に現金決済が困難な場合には、農業省の組織である小規模農家農業融資管理局(SACA)が資金貸出を行い、天災等で収穫が不可能になった場合、SACAはSFFRFMに対して肥料代金の100%を補償し、見返り資金の積立を確実にしている。SACAは、その後、1995年からマラウイ農村金融公社に規模を拡大した。
SFFRFMは、肥料の安定供給の目的から、全国に3ヶ所ある倉庫に肥料88,000トンを目標に貯蔵を開始している(現在53,000トンを貯蔵)。
2.案件の選定・形成の適正度
1992年当時、干ばつや洪水、モザンビークからの難民の流入等による食糧需要の増大に対処するため、「マ」政府は、多収量品種の導入に加え、施肥と農薬使用の普及による農業生産性の向上に努めていた。しかし、モザンビーク内戦の影響による輸送コストの上昇等のため、農業生産性向上のためには、特に肥料の調達・供給量の不足が問題となっており、本プロジェクトの選定・形成は適正であった。
3.当初目的の達成度及び効果
肥料及び一部の農薬は、農業開発マーケティング公社を通じ市場価格より安く小規模農家に販売された。残りの農薬等も全国8ヶ所にある農業開発事務所に配備され、害虫被害情報に基づき広範な農薬散布が実施された。
また、肥料販売代金の3分の2が見返り資金として積み立てられており(残り3分の1はSFFRFMの手数料)、積み立てられた資金は「マ」における4つのプロジェクトで有効に利用されている。
4.今後必要とされるフォローアップないしアフターケア
肥料販売代金の3分の1とされているSFFRFMの手数料が適正な金額か、SFFRFMの経営状態も含め、調査する必要がある。