(1997年4月、在コートジボワール日本大使館)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1991年度、1992年度 |
協力金額 | (第1期)5.73億円、(第2期)9.68億円 |
相手国実施機関 | エネルギー鉱物水資源省水利局 |
協力の内容 | 清潔な飲料水を供給し、地域住民の民生の安定化を図るために、150本の井戸を建設 |
(評価要旨)
1 案件の維持・管理状況
給水施設の稼働率は、ケーブルにて操作する深井戸用ポンプが91%、手押し操作の深井戸用ポンプが93%、浅井戸用のポンプが100%と平均で96%の稼働率と良好なる数字をしめしている。この他、5mm3給水車、検層機は一時破損したものの修理の上現在も稼働中である。
一方、修理を試みたものの、「ベ」側実施機関の財政的問題から消耗品やスペアパーツの調達が困難で修理不能となっている機材も一部見られる。
2 案件の選定・形成の適正度
本案件の対象地域(アトランテック県、ウェメ県、ズー県南部)は、「ベ」国内でも給水率が最も低く、ギニアウォーム疾患の多発地域であり、これらの地域における給水設備と清潔な飲料水の確保は、汚染された水に伴う劣悪な衛生環境の改善や給水作業の主体である農村婦人の労働力の確保をもたらすものであり、プロジェクト選定は適性であった。
3 当初目的の達成度及び効果
全体として、3県で約25万人の村落住民の水運搬に係わる労働を30分以下に軽減し、余剰時間をマーケット販売あるいは就農時間に振り向けたり、清浄な飲料水確保への住民不安を解消するとともに、ギニアウォーム疾患の激減にも貢献している。
4 環境への影響/WID(開発における女性)への配慮
自然ならびに社会環境への悪影響はないと思われる。各村落に給水施設を建設することにより、過酷な労働を強いられていた婦女子の負担を軽減し、女性の生活・福祉に貢献している。
5 今後必要とされるフォローアップないしアフターケア
同国における給水整備状況は今なお悪く、給水率は都市給水が82%、地方給水が64%の状況下にある。特に南部4県(アトランティック、モノ、ウェメ、ズー県南部)は給水事情が切迫した地域となっている。このため、本地域の給水設備に実績のある我が国が今後も長期的展望にたった給水事業を積極的に進めていく必要がある。