(1997年4月、在コートジボワール日本国大使館)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1988年度 |
協力金額 | 5.28億円 |
相手国実施機関 | 設備省機材局(現、設備・インフラ省公共事業機材局) |
協力の内容 | 道路整備能力を強化し、道路輸送力の増強を図るため道路整備用機材を供与 |
〈評価要旨〉
1 案件の維持・管理状況
全国に配備されている機材は、設備・インフラ省公共事業機材局が包括的に維持・管理を担当している。機材は、走行距離及び稼働時間により定期的に点検されているほか、修理についても、その故障状態により地方のサービスステーションから首都ニアメにある修理工場まで、対応策が確立されている。
2 案件の選定・形成の適正度
ニジェールは、サヘル地域に位置する内陸国であるが、鉄道網が存在せず、また同国を流れるニジェール河による運河も一部しか使えない状況であり、人及び物資の移動はもっぱら陸路に頼らざるを得ず、同国にとって道路整備は非常に重要な政策の一つである。
このような状況にあって、同国のニーズに合致する本件機材供与は、十分に適切なものであった。
3 当初目的の達成度及び効果
要請当初は道路補修用に本件は要請されたが、現在は担当省庁の機構改革等により道路新設にも本件機材は使用されているため、本件の目的は拡大されたといえよう。また、1988年2月現在のニジェールの道路網総延長は、約9,853キロメートルであったが、1996年現在では約14,000キロメートルとなっており(約4,146キロメートルの拡張、拡張率42%)、総じて本件供与の効果は十分にあったものと判断される。
4 WID(開発における女性)への配慮
道路の新設により、市場へのアクセスが容易になることで、市場に行くことの多い女性の時間的及び交通費等の負担が軽減された。
5 今後必要とされるフォローアップないしアフターケア(必要がある場合)
予算難、機材の老朽化等から新規機材及びスペーアパーツの購入が求められているが、本件供与機材の殆どが稼働している状況にあることから、まずは、スペアパーツの供与を考える必要があろう。
6 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項
使用不能となった機材は、使用できる部品をはずされた後放置されている。したがって、将来、この種のプロジェクトを実施する際には短期の専門家を派遣し、保有機材の整理、使用の効率化を助言することが効果的である。