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カーボヴェルデ 島嶼間輸送船供与計画

(1997年4月 在セネガル大使館)


<プロジェクト概要>

援助形態  無償資金協力
協力年度  1992年度
協力金額  7.79億円
相手国実施機関  アルカ・ヴェルデ海運公社
協力の内容 群島国である「カ」の島嶼間の貨物輸送のため、載荷重量約500トンの輸送船を供与


<評価要旨>

1.案件の維持・管理状況

 アルカ・ヴェルデ海運公社では、機関、船体の保守・整備は技術者が、中規模以上の修理・点検は造船所において実施しており、1994年11月、1997年1月の造船所における船底検査は、塗装、板金とも異常なしとの結果が報告されている。

 一般の交換部品についても欧州諸国から購入が可能であるため、維持管理上の問題は発生していない。

2.案件の選定・形成の適正度

 「カ」では、地方分権化が国家開発計画の目標の一つに掲げられており、本輸送船供与は、島民への食糧・日用品の定期的供給による島民の生活安定化と島嶼間格差の緩和に寄与し、さらには農業機器・漁具の供給、観光開発・社会基盤整備のための資機材の搬入等、島嶼間輸送を強化することによる地方振興、経済発展への貢献も期待され、本プロジェクトの選定・形成は適正であった。

3.当初目的の達成度及び効果

 輸送船の供与により、老朽化した別の輸送船が廃船となり、維持管理費削減、輸送力強化、輸送効率向上等の目標が達成された。

 また、「カ」では食糧自給が不可能であるが、本輸送船により援助や輸入された食糧の各島への輸送が迅速且つ増強され、島民の生活基盤が向上したとともに、外国資本の新たな参入により、ホテル建設、軽工業、中規模製造業等の分野の振興も見られ、本プロジェクトの効果は徐々に現れ始めている。

4.今後必要とされるフォローアップないしアフターケア

 現在のところ問題は生じていないが、今後の課題として、欧州で調達できない特殊な部品の管理・調達が挙げられる。

5.将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項

 本プロジェクトでは、運搬船を供与する前後に技術者の研修を行っていることが、運搬船の良好な維持管理に結びついている。機材供与をする場合には、派遣専門家による指導を含め、技術者の訓練を十分に行うことができれば、中・長期的な維持管理問題には、比較的容易に対応できるものと思われる。

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