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シリア 食糧増産援助

(1997年3月 在シリア大使館)


<プロジェクト概要>

援助形態  無償資金協力
協力年度  1992年度
協力金額  3.00億円
相手国実施機関  農業農地改革省
協力の内容 穀倉地帯であるハッサケ県等を対象として、トラクターを中心とした農業機械を供与

<評価要旨>

1.案件の維持・管理状況

 トラクターは殆どがハッサケ県の農家に売却され、一部は同県農業局が管理する試験農場にて使用されており、維持管理は、各農家ないしは同県農業局により概ね適切に行われている。スペアパーツは農業機械公団ハッサケ支部が保管し、必要に応じ農家に売却されている。灌漑ポンプは、販売対象地域をハマ県アル・ガーブ地域に変更し、同地域の農家に売却され、良好に維持管理されている。

2.案件の選定・形成の適正度

 農業機械化は、持続的な農業開発、食糧増産にとって欠かせない要因であること、ハッサケ県は「シ」の穀倉地帯であることから、案件の選定は妥当であった。灌漑ポンプは、結果的には上記の通り有効利用されているが、対象地域変更の背景には、耕地面積の大きいハッサケ県では同ポンプは馬力不足のため、有効利用が期待できなかったことによる。

3.当初目的の達成度及び効果

 本件機材により農作業のタイムリーな実施が可能となり、その結果として収穫高が増大したことから(ハッサケ県農業局長によれば、同県対象地域では約30%の増)、当初目的は十分に達成され、効果は挙がっている。

 見返り資金の積立は、機材の農民への配布が遅れたことにより未だ予定額には達していないが、着実に積み上げられている状況である。

4.WID(開発における女性)への配慮

 以前は、女性が徒歩で収穫物等を運搬していたが、そうした運搬作業をトラクターが担うようになり、農村の女性の負担が若干なりとも軽減した。

5.今後必要とされるフォローアップないしアフターケア

 「シ」側の希望もあり日本製トラクターを供与したが、実際には「シ」では日本製は殆ど普及しておらず、農民にとってあまり馴染みがない。そのため、「シ」側から、より効果的・効率的に使用するために、トラクターの操作指導、手頃な価格でのスペアパーツ調達のルートの確立が要望されている。

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