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エジプト 北シナイ農村総合開発計画

(1997年2月 在エジプト大使館)


<プロジェクト概要>

援助形態  開発調査
協力年度  1988年度
相手国実施機関  公共事業・水資源省、農業省
協力の内容 北シナイ地域において、農業生産量及び生産性を向上することによって種々の開発コンポーネントからなる農村総合開発計画を策定し、そのうち優先サブプロジェクトからなる農業開発のパッケージプロジェクトを選定し、その技術的及び経済的実施可能性の検討を行った。

〈評価要旨〉

1 案件の維持・管理状況

 本調査結果は、エジプトに把手政治的、経済的に重要であり、中東地域における開発の中心としての可能性を持つシナイ半島を対象とした「シナイ復興計画」(1994年9月策定)の中の農業開発分野に反映されており、このうち中心的なプロジェクトであるエルサラム水路建設は、シナイ側で約55%完成しておりスエズ運河サイフォン部分が1997年10月に完成し、シナイ側への通水が開始される予定である。

2 案件の選定・形成の適正度

 本調査は、エジプトにとって政治的、経済的に重要な位置にあるシナイ半島を対象とし、中東和平後の本地域開発に資するものであり、さらには本地域の開発を通じてエジプトの抱える人口問題、食糧問題、農業問題等を解決するための施策を提案するものであり、プロジェクトの選定は適正であった。

3 当初目的の達成度及び効果

 主要なプロジェクトであるエルサレム水路のうちスエズ運河サイフォン部分は、工事開始時期が多少遅れたものの、工事自体の工期は予定どおり進捗している。また第一フェーズの農業開発の排水施設の約4割は完成し、1997年夏からは一部入植が開始される。また、本プロジェクトは、ムバラク大統領自らが現地に赴く等、「エ」国内での関心度は非常に高い。

4 環境への影響

 本プロジェクトの実施によって環境に影響を及ぼすと考えられるエル・サラム水路の延長、農業造成、及び入植、ニューコミュニティー建設に対して、本調査においては下水処理場、ゴミの処理場の整備、湖の水質保全等の環境保全対策が提案されている。

5 今後必要とされるフォローアップないしアフターケア

 本調査終了後、マスタープランに基づき第1フェーズ事業が進み、その後同マスタープランに基づく第2フェーズ事業のF/Sがエジプト政府より要請があり、1996~97年の調査期間で実施中である。

6 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項

 調査結果が活きたものとなるよう、調査後の事業化の可能性について十分に見極めることが重要である。

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