(1996年12月、在パキスタン大使館)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1991年7月30日 |
協力金額 | 6.5億円 |
相手国実施機関 | ファイサラバード繊維工科大学(連邦工業省直轄) |
協力の内容 | 本大学に実用的な繊維工業用教育機材の供与を行うことにより一層の教育レベルの向上を図り、繊維産業界等へ優秀な人材を送り込むことによって「パ」の基幹産業である繊維産業の発展に資する。 |
〈評価要旨〉
1 案件の維持・管理状況
全般的にみて概ね良好に維持管理されている。しかし、一部の機材がコンピュータ関係部分の故障により使用されていないもの及びマニュアル等の不備により稼働していないものがあった。
2 プロジェクトの選定・形成の適正度
プロジェクトの背景、目的に照らし、本計画の内容は妥当なものであり、その後における本大学の発展に鑑みれば、プロジェクトの選定は極めて適正であったものと思料する。また、技術水準・ニーズ等については基本設計調査によっても十分認識されており、その後のプロジェクトの実施においても特段のトラブルもなく、かつ所期の成果を挙げていることから、機材の仕様等の策定についても適正であったと思料する。
3 当初目的の達成度及び効果
本計画の目的は、本大学に対し機材の調達によって実習設備の改善を図り大学の機能をレベルアップすることにより技術教育を強化し、優れた人材を繊維産業界に送りだすこと、また、これらの人材を通じて低生産性、低品質等同国の繊維産業界が直面している問題を解消し、ひいては同国経済発展に貢献することであり、これにより学生数が約2倍に増加した他、繊維業界への就職者数も当初と比較して2倍以上になった。
4 環境への影響/WID(開発における女性)への配慮
本大学における女子学生数は全体で60名程学んでおり、その率も毎年急激に増加している。彼女らは卒業後ほぼ100%繊維関係業界に就職し、研究・検査部門で活躍している。その意味で本件プロジェクトはWIDの進展に十分に資するものと思料される。
5 今後必要とされるフォローアップないしアフターケア
現在の稼働状況からみて、今後更に数年間現状の状態で維持していくためにはスペアパーツ及び短期専門家等のフォローアップが必要と思われる。
(平成7年度にフォローアップ調査を実施済みであり、先方実施機関より必要書類を取り付け次第、スペアパーツ送付等の資材購送を実施する。)