(1997年3月 在ミャンマー大使館)
援助形態 | 草の根無償資金協力 |
協力年度 | 1996年2月22日 |
協力金額 | 30,038米ドル |
相手国実施機関 | 世界の医師団 (Medecins Du Monde:MDM) |
協力の内容 |
エイズ予防広報機材等の供与 本プロジェクトはカチン州の州都メッチーナにおいて現存の性病クリニックの保健スタッフの研修、ラボ機能の強化を図りトレーニングキットを用いて性病患者に対して性病・エイズ予防知識の普及を図るものである。さらに、対象を一般市民にまで拡大し、エイズ研修情報センターの設立、定期的な講習会の実施、広報パンフレットの配布等を通じて、一般市民に対する性病・エイズ予防知識の普及を図ることとしている。 |
〈評価要旨〉
1 プロジェクトの維持・管理状況
エイズ研修情報センターでは昨年12月から、毎週金曜の午後に性病・エイズ予防のためのビデオ講習会(コンドームの使用法含む)、トレーニングキットを利用した講習会を実施。ミッチーナ近郊では、学校、協会、ティーショップ、ゲストハウス等で講習会を実施。これまでに6,000人以上の参加者。麻薬中毒者リハビリテーションセンター、保健センターでは患者に対し性病・エイズ予防の講習会を開催するとともに、スタッフに対しカウンセリング、家庭療養等に関する講習会・ワークショップ開催。
2 プロジェクトの選定・形成の適正度
ミッチーナ郊外の農村地域においては、エイズという言葉は知っていても予防の知識は無いに等しく、このような地域では知識の普及が遅れていると、コンドームの入手が困難なことなどエイズ感染の悪条件が重なっており、エイズ予防のプロジェクトは意義深いと思料。
3 当初目的の達成度及び効果
各地で行われている一般市民向けの講習会参加者もかなりの数にのぼり、また保健スタッフの研修も順調に行われていることから、性病・エイズ予防知識の普及という目的は達成可能と評価される。
4 WID (開発における女性)への配慮
講習会の参加者は男性が多く、当国のしかも地方都市の女性が進んで性の問題を扱う講習会に出席するのには周囲の目もあり、なかなか難しいとの印象を受けた。女性への広報を広げるためにはMDMが進んで女性の集まるところへ入っていく、もしくは、村単位で村民全員が参加するよう働きかける等の努力が必要である。
5 今後必要とされるフォローアップないしアフターケア
MDMは当該プロジェクトをミッチーナ近郊からカチン州全域に広げたいとの構想をもっている。しかしながら当国において外国人の国境付近地域への立ち入りは厳しく制限されている状況にある。そのため、MDM活動が当国政府に評価され、プロジェクトの拡充が認められれば活動エリアも広がり、新たな広報拠点の設置、広報機材の供与といったフォローアップが必要と思われる。