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ミャンマー バルーチャン第一水力発電事業第二水力発電所改修計画

(1997年9月、在ミャンマー大使館)


<プロジェクト概要>

援助形態  有償資金協力
協力年度  1981年度、1986年度
協力金額  160億円、35.3億円
相手国実施機関  エネルギー省電力公社(Myanmar Electric Power Enterprise
協力の内容 (1) バルーチャン第一発電事業
 第一発電所(最大出力28メガワット)を新設し電力供給を行うとともに、第一発電所から第二発電所への導水管の増設により、第二発電所の出力増加を図る。
(2) バルーチャン第二発電所改修計画
 経年により老朽化した第二発電所の発電施設の改修・更新をおこなうとともに、予備資機材等の購入を行い、第二発電所の維持・管理を容易にする。


〈評価概要〉

1 案件の維持管理状況  

 今回現地調査を行った両発電所とも、24時間体制で年間を通じてほぼフル稼働状態であり、適切な維持管理が行われていた。但し、フル稼働による過重負荷の問題等、外貨不足によるスペアパーツ不足、今後の長期にわたる安定的な電力供給については課題が生じつつある。

2 案件の選定・形成の適正度

 第一発電所建設については、世界銀行調査によって効率性の高いプロジェクトとしてリストアップされたものであり、さらにその建設によって第二発電所の発電量も増加する等、費用対効果が高い適正なプロジェクトである。

 第二発電所改修計画については、ミャンマーの基幹発電所を改修し、中長期的な電力の安定供給を図るものであり、国民生活の安定という見地からも適正である。

3 当初目的の達成度及び効果

 第二発電所の建設により、ミャンマー系統内発電設備能力を5%向上させた。また、第二発電所はその時点での系統内設備能力の30%以上を占めており、改修事業によって本発電所からの電力の長期的安定供給が実現できた意義は極めて大きなものがある。

 現時点においても、両発電所は系統内で合わせて23%の発電設備能力を占めており貴重なベースロードとしてミャンマー国民生活及び経済活動に貢献している。

4 環境への影響/WIDへの評価

 本プロジェクトは流れ込み方式発電所の建設であり、大規模なダム建設を伴わないものであることから、環境への影響も比較的少ない。また、電熱を利用した調理等は、女性の家事労働を軽減させるものであり、WIDの観点からも十分に評価できる。

5 今後必要とされるフォローアップないしアフターケア

(1) 本プロジェクトの発電能力を効果的に活かすためには、39%という送配電時におけるロス率の改善が重要な課題。このような観点から、現在円借款非再開案件となっているヤンゴン配電網整備事業の早期再開が望まれる。(1995年10月に再開のための準備作業が終了済み。)

(2) ミャンマーの電力需要の急増を受けて、本発電所は、24時間のフル稼働を強いられており、設備の消耗度が予想以上に早い。本プロジェクトのフォローアップとして、オーバーホールとスペアパーツ供給のための何らかの協力を行うことが期待されている。

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