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フィリピン トリニダッド高地農村基盤整備計画

(1997年2月 在フィリピン大使館)


<プロジェクト概要>

援助形態  無償資金協力
協力年度  1989年度、1990年度
協力金額  16.43億円、11.42億円
相手国実施機関  ベンゲット州政府
協力の内容 トリニダッド高地の農業生産を増加させるとともに、農村の生活環境を改善するため、我が国の無償資金協力により、灌漑施設、道路、コミュニティ・センターなどを整備する。


〈評価要旨〉

1. 案件の維持・管理状況

灌漑施設は、1990年7月16日のバギオ地震と1996年の台風による被害を受けているが、市当局および地域農民自身によって施設の改修が行われている。山間部の道路についても、台風シーズンには土砂で遮断されることも多いが、地域農民も積極的に参加して、復旧作業を行っているようである。

2. 案件の選定・形成の適正度

トリニダッド高地は、高地野菜の栽培に適した自然環境にあり農業生産の潜在的能力は高いが、農村基盤の不備により農業生産が阻害されていた。農村の総合開発は、フィリピン政府の開発政策にも沿ったものでもあり、プロジェクトの選定・形成は適正であった。

3. 当初目的の達成度及び効果

プロジェクト実施の結果、単位面積当たりの収益は、約4倍に増えており、プロジェクトの効果は非常に大きかった。灌漑施設については、バギオ地震の被害などのため、当初計画どおりに整備することはできなかった。ラ・トリニダッド市につながる舗装道路は、農村の生活環境の改善に大きく貢献している。

4. 環境への影響/WID(途上国の女性支援)への配慮

  灌漑施設の充実、特にスプリンクラーの普及により、従来女性が行っていた水撒きの作業がなくなり、女性の労働時間が減少している。また、コミュニティ・センター内に託児所が設置されたことにより、女性の育児負担は軽減した。

5. 今後必要とされるフォローアップないしはアフターケア

自然災害のために当初計画どおりに稼働していない灌漑施設については、補修を行うことにより、農業生産性、耕作地域の拡大につながるものと思われる。

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