(1997年3月 在広州総領事館)
援助形態 | 草の根無償資金協力 |
協力年度 | 1993年度 |
協力金額 | 約633万円 |
相手国実施機関 | 廷坪郷衛生院 |
協力の内容 | 山岳部貧困地域に位置する廷坪郷の住民への医療サーヴィスを向上させるため、草の根無償資金協力により、廷坪郷衛生院に医療用機材を整備する。 |
1. 案件の維持・管理状況
1994年5月に医療用機材が整備されてから1997年2月までの間に、X線撮影機は2,576回、B型超音波検査器は968回それぞれ使用されるなど、機材は有効に活用されている。X線撮影機については、2、3度故障があったものの、現地で修理が行われた。
2. 案件の選定・形成の適正度
廷坪郷衛生院は、3.5万人の地域住民への医療サーヴィスを提供している。しかしながら、以前には、治療可能な病気が限定されていたほか、病気の診断も十分でなかったため、都市では完治できる病気でも、廷坪郷では手遅れで死に至ることも決して少なくなかった。したがって、廷坪郷衛生院の医療水準を向上させることは、地域住民のニーズに沿ったものであり、案件の選定は適正であった。
3. 当初目的の達成度及び効果
医療用機材の整備の結果、17項目の医療サーヴィスを提供できるようになるなど医療水準が向上し、治療を受ける住民の数も増加した。また、1996年の廷坪郷衛生院の総収入は、医療機材を整備する前の2倍に増加している。
4. 環境への影響/WID(途上国の女性支援)への配慮
B型超音波検査器は、婦人病の検査に大きな効果をあげている。
5. 今後必要とされるフォローアップないしはアフターケア
整備された医療機材が日本からの援助によるものであることが明示されていないため、住民にも読める漢字を使ったステッカーなどを貼るよう依頼する必要がある。
6. 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項
医療機材の供与を決定するに当たっては、このプロジェクトの場合のように、医師の水準がすでに必要なレヴェルに達していることが必要である。